ちづるの抵抗を封殺すると、二人の男の指は、いよいよ荒ぶりはじめた。五条の指がパンスト生地を、手当たり次第に摘まみ上げて、そこに小さな穴を穿った。
「ほらよっと!」
穴に両手の中指を挟み、左右に引き裂く。ビーっという不快な音とともに、黒のストッキングは引き裂かれ、中から眩い雪肌が露出した。そのたびに、男たちは歓声をあげる。有田も五条の真似をするので、黒いパンストの面積はみるみるうちにその領域を縮小していく。
ちづるがカメラから目をそらすと、すぐさま太ももに平手が飛んでくる。雪肌はすぐに赤く腫れあがっていく。
「さて、いよいよだ。まん汁マグマの震源地に近づいてきたぞ。気を引き締めていくぞ、有田」
「う、むぅぅ……」
ちづるは抗議の声を、奥歯で嚙み殺した。
「せーのっ!」
五条と有田が、ストッキングの生地を、それぞれ左右に引っ張って断ち切った。まるで、ラビアを引き裂かれるような錯覚に陥って、ちづるは総身を引きつらせた。
もはや布というより、細い繊維の束と化したストッキングの下から、純白のパンティがむき出しになった。
ちづるはカメラをキッと睨みながらも、その下に広がるタブレットの画面は、努めて視界に入れないようにしていた。だが、
「うっわー、奥様、なんです、これは?おもらしでもなさいましたかぁ?」
有田が、素っ頓狂な声をあげた拍子に、画面に目がいってしまった。クロッチ部分に、薄っすらとシミが浮かんでいた。
「ふーむ。女の身体ってのは不思議なもんだよなぁ。ほっぺたぶん殴られて、それでオマンコ濡らしてしまうんだからな」
「ふふふ、五条さん、奥様はもしかしたら、打たれて喜ぶ、マゾってやつじゃないんですかね?」
「信じられんな。あの元キャスターの、藤白ちづるにサドマゾ趣味があったなんて。だがな、俺の読みはちょっと違う。この女を濡らすのは、このカメラよ。男たちの視線を集めて、それで気分を出すのさ。どうだ、ちづる、図星だろ?」
「黙りなさいっ!」
ちづるの忍耐は、限界を迎えた。腿に添えた右手を離し、すかさず五条の頬に一撃を見舞おうとした。だが、その手首は、反対側の有田によってすぐに取り押さえられてしまった。
五条の顔に浮かぶ、不気味な満面の笑みが眼前に迫ってきた。更なる暴力による報復。その予感で、全身が固く緊張する。
「へへ、可愛いやつだぜ。こうしてやろう」
五条は平手でビンタを繰り出すかわりに、ちづるの頬を両手がっしり固定し、舌と唇で顔面を襲った。
「やめて!き、気持ち悪い」
「おい、有田。縛れっ!」
有田が首からネクタイを解き、素早くちづるの両手首に巻き付けはじめた。
「何をするのっ、放して、放しなさい!」
有田ともみ合っているうちに、五条の手に大きな裁ちばさみが握られているのに気がつき、息をのんだ。
「この上等そうなスカートも、お別れだ。歯向かったらどうなるか、いい勉強になるなぁ」
シルキーな手触りのロングスカートの生地を、裁ちばさみがザクザクと切り開いていく。唖然としてそれを見つめている間、有田の操るネクタイによって、両手首が完全に拘束されてしまった。そのことに気づいたとき、ああ、そんな、と絶望の嘆息がこぼれた。
二人の暴漢魔は、議員夫人の蒼白の表情を、舌なめずりしながら眺めた。
四
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