好色な保護者達から精のシャワーを浴びると、ほどなくしてバスは今回の慰安旅行の目的地である温泉宿、『神楽荘』にたどりついた。女子生徒の制服などではなく、まともな服装に着替えさせてくれと何度も懇願する里穂だったが、権田はそれをにべもなく却下した。それだけでなく、里穂に団体を代表してチェックインの手続きをして来いと命じた。
時刻は十四時をまわる頃で、チェックイン開始時間と重なり、ロビーは混雑し始めていた。
「十二名で予約しております、星園学園保護者会です。チェックインを、お願いします」
平静を装いながら、カウンターに並ぶが、その服装の異様さは、隠しようがなかった。
渋谷の女子高生でも見みられないくらいにギリギリに丈の詰まったミニスカートからは、すらりと伸びた細足が大胆に露出しており、サイズの小さいセーラー服のからは腹部がチラチラと覗いている。おまけに、着ているのは女子高生には見えないくらい妖艶な色香を漂わせる二十五歳だ。そもそも、『保護者会』といいながら、女子高生の制服姿の女が代表しているのだから明らかに異様だ。
だが、カウンターで対応した女性従業員が最も訝ったのは、里穂の身体から放たれる獣のような臭気だった。降りかかった精液をハンカチで拭うことは許されたが、匂いまでは対処できていない。黒髪に付着した粘液は厄介なことに拭いきれず、ところどころに白っぽい塊まで残っている始末だ。
「お待ちしておりました。鍵をご用意いたしますので、少々お待ちくださいませ」
従業員は予約リストと里穂の姿を見比べながら、当惑した表情を浮かべながらも、事務的に手続きを進めた。
(ああ、きっと変に思われているんだわ…)
同性から向けられる、微かな軽蔑の視線が痛い。
「ずいぶん時間がかかっているじゃないか、里穂先生、どうかしたかい?」
後ろから、染谷が近づいてきた。馴れ馴れしく肩に手を回しながら、さりげなく胸元をまさぐってきた。
(こんなところで、やめて!)
視線で必死に制止を求めるが、聞き入れられそうもない。
「里穂先生、何か、予約に不備でもあったんですか?」
今度は原口までもが加勢してきた。二人の男は意図的に先生、先生、と連呼するので、里穂が教師だということが露呈してしまう。
先生だって?
どうして、教師が女子高生のコスプレなんてしているんだ、なんなんだ、この女は?
周りの宿泊客や従業員から注がれる好奇の視線に、里穂はいたたまれない気持ちになって、視線を泳がせる。
「…い、いえ、大丈夫だと思います。人数が多いので、少し、時間がかかっているのかと、ああうっ!」
不意に、原口の手がスカートの中に潜り込み、中指で肉芽をクイっと摘まみ上げた。里穂は艶めいた悲鳴を上げてしまう。
(ダメです、ここではそんなこと…)
睫毛を震わせながら目で許しを請うも、今度は反対側、染谷の中指が肉割れをなぞり、脅すように第一関節までを侵入させた。
溢れかえった淫水を、染谷の指が攪拌する。ヌチャ、ヌチャという湿った音が鳴り響いている。カウンター越しに何か淫らなことが行われている。そのことは、目の前の従業員にとっても明らかであろう。
「お、お客様、大丈夫でしょうか?」
「な、なんでも、ありませんの。び、びっくりさせて、しまって、む、むぅん、ごめんな、っさいっ…」
そう言う間にも染谷の中指がグリ、グリと肉襞の隙間を縫って進撃してくる。里穂は、もう肩で息をしている。
「おい、部屋の防音はどうなんだ?大声で叫んでも大丈夫なのか確認しろよ。先生どうせおもいっきり喘ぐんだから」
原口が意地悪く耳元に吹き込むと、そんなことを聞ける訳がないと、必死で首を左右に振り乱す。すかさず、仕置きとばかりに原口は肉芽を思いきり指でピンと弾いて、里穂を揺さぶる。命令に従うまで何度も繰り返すぞと言われ、里穂は屈服した。
「あの、すみません、変なことを聞く様なのですけれど…お部屋の、その防音は、大丈夫でしょうか…?」
「はぁ、大丈夫といいますと?」
「その、例えば、大きな声で叫んだりしたら、他のお客様にご迷惑でしょうか」
「そ、それはまあそうですが、あの、権田様と華谷様の四名様で同じ『樫の間』をご予約いただいていますが、間違いないでしょうか?こちらのお部屋でしたら、他のお客様のお部屋とは少し距離がありますが…お集まりいただいて、宴会か何かされるのでしたら、こちらをご利用いただくとよろしいかと。…ですが、限度がありますので、あまり…」
「はいはい、承知しましたよ。里穂先生、そういうことだから、いくら良くても、いつもみたく絶叫するのはよしてくださいよ」
「そうそう、教師の立場をしっかりわきまえ、羽目を外しすぎないようにすることですな、はははは!」
チェックインカウンターで散々に恥をかかされた末、ようやく鍵の受け渡しが終わった。権田親子と里穂、純平は『樫の間』と呼ばれる特別間で、他の参加者たちは一人一部屋ずつ個室の客室を割り振られていた。
「流石にザーメン臭くてかなわんでしょう。皆さん、里穂先生は一旦風呂で身を清めてまいりますので、丁度一時間後の十五時に、我々の『樫の間』に集合としましょうや」
里穂は、大浴場へ向かった。降り注いだ汚濁を熱いシャワーとシャンプーで洗い流し、ほんの一瞬の安らぎを感じていた。だが、間もなく後ろからやってきた英玲奈に声をかけられて、身体を硬直させた。
英玲奈に手を引かれ、里穂は湯船に身を浸した。美術部での仕置き以来、里穂は英玲奈の残忍さにすっかり怯え切っていた。
「何よ、そんなにビクビクしなくったっていいじゃない」
英玲奈は湯船の中で、里穂の胸元に手を伸ばし、脚を絡めたりしながら身体を摺り寄せた。
「バスで純平君と遊ばせてもらったわ。あなたがあのオッサン達とパコパコしている間、彼、おチンチンカッチカチにしてたわ。仕方ないから、私が手で扱いてあげたんだけどね」
「そんな話、聞きたくな…」
「それで!結局どこで抜いたと思う?ふふふ、あなたがオマンコ丸出しで外を歩いてるところよ。彼、それ見て思いっきり精子噴射しちゃってさ。窓ガラスにビチャって。よっぽど気に入ったみたいよ、あんたが寄ってたかって、いじめられてるところが。うふふふ」
「やめて、もう…あの子にはもう手を出さないで」
英玲奈は、怒りと、それを噛み殺して呑み込むような里穂の表情を見るにつけ、加虐心をくすぐられ、さらに畳みかけた。
「だけど、彼ったらひどいのよ。あんたのこと見てあんなに勃起させて、すんごい射精しておきながら、次は私とセックスしたいって言うのよ。ねぇ、どうしよっか?私、食べちゃっていい、彼のこと?」
もう耐えきれないと、里穂は怒りを露わにして立ち上がった。英玲奈は里穂に後ろから抱きつくと、嫌味たっぷりに囁く。
「ふふふ、まだ純平に未練があるようねぇ。からかい甲斐があるわぁ。でもね里穂、あなたここからは弟のことなんて気にしてられなくなるわよ。だって、ここからは、死にたくなるほど辛くて、恥ずかしい目に合わされるんだから。弟の心配なんてしている余裕なくなるわ」
「…いったい、何をさせるつもりなの」
「そりゃあ、その時のお楽しみだけどさ。あのオヤジたち六人のうち、今日入会するって決めたのはまだ一人だけでしょ?パパ、絶対に全員入会させるつもりだからさ。これから五人も引き込まないといけないわけ。私、パパに進言しておいたの。もっともっと過激なことさせないと、あのケチオヤジたち落ちないわよってね。だから、覚悟した方がいいってこと」
既に三名の男と性交を強制された。野外で放尿させられ、あろうことか下半身剥き出しで曳き回されたのだ。これ以上過激な責苦等、里穂には想像すらできない