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凌辱

「さて、次のケーススタディに移るとするか」笹山の呼びかけで、男子社員達の間で歓声が上がった。パイプ椅子に腰掛けた私の背後にまた、笹山が回り込んできた。「で、生理でもないなら、なんでそんなに顔色が悪いんだ、摩耶君?」 笹山の掌が、イヤらしい手...
凌辱

一生顔を合わすこともないだろうと思っていたその男は、商社の課長時代とは全く服装が違っていた。どの子会社に出向になったのかも覚えていなかったけれど、真っ白なスーツを着て、色の薄いサングラスをしていた。普通の会社員をやっているようには、とても見...
凌辱

「鈴原さん、これ、何かの間違いでは?」 もし、話す相手がみんな男子社員だと知っていたら、引き受けていなかった。「えっ、何が?」 突き放すよう返されて、狼狽した。鈴原主任にだけ聞こえる小声で、すがるように言った。「女子社員だけの座談会、ってい...
凌辱

二日ほど欠勤してから、出社した。自分のデスクには向かわず、直接人事部のフロアにある、小さな会議室を訪ねた。「笠谷摩耶さん、だよね?あなたのこと、全力でサポートするから。安心して」芯の強そうな女性が一人、私を出迎えてくれた。開口一番に、会社は...
凌辱

口の周りや、髪や、着ているスーツのスカートのそこかしこに、白いものが付着したまま、床にへたりこんでいた。無理やり粘液を飲み下したせいで、ひどく咳込んでしまって、立ち上がることもままならない。うまく呼吸ができなくて、意識が、遠くなっていた。ふ...
凌辱

初めは、添田さんが出張や外出の日だけ、我慢すればよかった。とにかく、自分の心と体を、石のように固くして。ひたすらその日が終わるまで、耐えた。でも、ある日、あいつはついに添田さんがオフィスにいる日にまで私に迫ってきた。夕方、帰宅前にコーヒー用...
凌辱

私は、この会社、総合商社の北斗物産では、元々派遣の事務員として働いていた。エース社員の添田さんの専属アシスタント的な業務(添田さんの旅費精算の代行をしたり、ひっきりなしに来る海外からのレポートの下読みをして、フォルダに仕分けしたり)をこなし...
凌辱

初めて西條君に会った時。カレは入社時研修を受ける新入社員達の一人だった。講師と言っては大袈裟だけど、私はあるテーマに関する座談会みたいな場で先輩社員としてプレゼンターを務めることになっていた。あるテーマ、というのはセクハラに関するものだった...
凌辱

品川駅午後六時十五分発の、成田エクスプレス。今日は、終業時刻の六時ピッタリにオフィスを出るって決めてる。あの人が一か月の長期出張を終えて、カザフスタンから成田空港に到着する予定の時刻が、午後九時。この時刻の特急列車に乗れば、到着ロビーでゲー...
凌辱

[あらすじ]私の名前は、笠谷摩耶。派遣社員。派遣先の会社は例の新型ウィルス感染爆発の影響で全館閉鎖。契約の都合で、在宅勤務も認められず、一時休業状態に。ひそかに好意を寄せる男性社員から、自宅で仕事を手伝ってほしい、と言われてから、私の人生は大きく変わってしまった。凌辱専業作家が描く、女性一人称作品。「拗らせ女子」が語る、甘く、切なく、狂おしい奈落。