[あらすじ]
私の名前は、笠谷摩耶。派遣社員。派遣先の会社は例の新型ウィルス感染爆発の影響で全館閉鎖。契約の都合で、在宅勤務も認められず、一時休業状態に。ひそかに好意を寄せる男性社員から、自宅で仕事を手伝ってほしい、と言われてから、私の人生は大きく変わってしまった。

凌辱専業作家が描く、女性一人称作品。「拗らせ女子」が語る、甘く、切なく、狂おしい奈落。

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2026.01.11 永井 亮
女性一人称、ハード
読者タグ: なし

シングルサイズのベッドとクローゼットだけの狭い寝室。ベッドと壁の間の狭い空間。彼の大きな手が私のフレンチスリーブのブラウスのボタンを外していく。一つ、また一つと丁寧に解かれていく度に、焦りは募っていく。私は、今から、この人に抱かれる。
ムクムクと、大学時代のあの夜の光景が脳裏に蘇る。それを必死で押さえつける。目の前の添田さんのことだけを見つめるんだ。絶対に、今夜は失敗したくない。そう思えば思うほど、緊張で胸が締め付けられる。
そうこうしているうちに、紺色のブラウスは私の肩先から微かな衣擦れの音と共に床へ落ちた。膝丈のペンシルスカートに、手がかかる。ちょっと待って、という言葉が出るより前に、手際よくホックが外され、流れるような動作でジッパーが下げられた。
淡いピンク色のブラとショーツだけを纏った姿で彼の前に立っていると、いよいよ引き返せないところまで来たんだな、と実感する。彼は、私がまだバージンだと知ったら、どんな反応するだろうか。びっくりして引いてしまうだろうか、それとも悦んでくれるんだろうか…。まだ何も脱いでいない添田さんの手が、私の背中の方に伸びてくる。
「私だけ裸なんて、恥ずかしいです…」
添田さんは、私が言うのも構わず、ブラのホックを手際よく外してしまった。背中に回った指が、そのまま肩ひもを軽やかに摘む。わざとらしく指が開いて、ブラはそのままススーっと滑り落ちていく。
「も、もぉ!」
寝室の灯りはついてなかったが、その代わり扉が半開きになっているせいで、ダイニングからの光が差し込んでいる。私の胸の輪郭も、乳輪も、乳首も何もかもくっきり見えてしまうだろう。反射的に両手で胸を覆った。
許さない、というように、彼の手が私の手首を掴んだ。そのまま、両方の手首が背中の後ろの方に持っていかれる。彼の大きな左手が、力強く私の両手首を束ねて、放してくれない。無防備になった乳房に、彼が顔を寄せてきた。少し驚いたように目を見開いている。
「そんな風に見られたら、困りますっ…」
私は、着やせするタイプ。全体的に、むっちり体型で、お尻や腰の周りには結構お肉がついてる。その代わり、胸は、結構ある。普段、会社ではベスト+スカートの事務員制服だから、あまり分からないだろうし、今日も身体のラインがでないようなゆったりしたシルエットのブラウスを着ていた。
彼の目つきは、もう普段と全然違っていて、興奮して少し充血しているようにさえ見える。全然スタイル良くないこんな自分の身体に、添田さんが夢中になってくれている。恥ずかしさと、喜びがごちゃまぜになった変な気持ちで、また頬が熱くなってくる。
「メガネ、取っちゃおう」
「あっ…」
視界が急にぼやける。添田さんの視線も曖昧になる。
「笠谷さんの身体も、顔も、好きだよ、すごく」
彼の囁き声が耳元で甘ったるく響く。そのくせ、手首の拘束は解放してくれない。添田さんの空いている右手が私の左の肩先から出発して左胸の輪郭、外周をつーっとなぞる。
「う、うぅぅ…」
ゾゾっという痺れるような刺激が、柔らかい皮膚を通じて全身に走った。産毛を撫でるようなフェザータッチは、予測不可能な進路で左右の胸を行ったり来たりする。でもそのルートは器用に胸の頂だけはギリギリで避けている。これが、「焦らし」ってやつなんだな……。ああ、意地悪されてる。私がモジモジと身体をくねらせるのが余程楽しいのか、添田さんの口の端が上がっている。ほんとは、こういう人だったんだな。…全然、イヤではないんだけど。
「ひっ、いぃぃん」
彼の手の平が、不意に乳首を掠めた。触れられて初めて、自分の乳頭がカチカチになって立ち上がっていることを自覚する。
「これ、好き?」
彼が広げた手の平を乳頭に微かに触れるか、触れないかのギリギリのところに置いた。
「な、何を…」
彼の右の手の平が、私の左の乳頭の上を時計回りに、あるいは反時計回りに旋回する。
「あ、そ、それはダメですっ」
「ああ、ごめん、ダメか」
彼の手がパッと制止した。
「えっ…やめちゃうん、ですか…」
「えっ?ダメなんじゃなかったっけ?」
「うぅぅぅ、意地悪…」
「どうなの、ほんとは?」
「だ、ダメじゃ、ないです…」
いつもの優しい添田さんじゃない。素直にならないと、彼の愛撫を受けることができないんだ。再び、添田さんの手の平の円運動が再開される。今度は、左胸から右胸に引っ越した。乳頭の先から全身にまるで電流が走るような痺れを感じる。甘ったるい鳴き声が、口の端から零れおちてしまう。
「そ、添田さん、な、なんでそんなに、じ、上手なんですか」
「そう?ありがとう。でも、ふふ、どちらかというと笠谷さんが感じやすいだけなんじゃないかな?」
「そ、そんなこと…」
長年、恋人もいなかった。だから、一人で慰めることだって、ないわけじゃなかったから、それなりに感じやすいという自覚は、あった。だけど、こんなに意識が遠くなるような感覚は、ほとんど初めてだった。

「右足、ベッドのうえに乗せよっか」
「こ、こうですか…」
命じられるがまま、片方の足をベッドのうえに乗せる。開脚した刹那、クチュ、という水の
音が、自分自身にしか分からないほど微かに零れたような気がして、焦る。
踝から脛裏、内腿までを彼の中指がツーっとなぞった。
「い、いぃぃっっ」
自分でも驚くほどイヤらしい声を上げてしまった。快感の中心部から、もうほんの数センチのところに、彼の指が迫っている。もう、来る…えっ…。
指は、パンティの境界線くらいを行ったり来たりしながら、ついに敏感な部分をスキップして、直立した左脚の膝裏の方へと行ってしまった。
「ああ、添田さんっ、どうして!」
欲求不満を叫んでしまった。次の瞬間、恥ずかしさで絶句してしまう
「ははは、ごめんごめん。もう、ガマンできないってことなのかな…」
「も、もうっ、し、知りませんからっ!」
添田さんは、私の身悶えを揶揄うように、指で下着のクロッチ部分をぴょい、ぴょいと飛び越えてみせる。次こそは触られるんじゃないかって、身体が刺激に備えてカチカチに固まっている。そのまま何分も「お預け」を続けられると、いよいよ我慢の限界だ。ヴァギナに食い込んだパンティのクロッチ部分がヒクっ、ヒクっと息づくのが感じられる。
「そ、添田さんの、バカぁっ、どうして、どうして触ってくれないの!」
「お願いしてごらん」
「さ、触って、ください、お願いですからっ!えっ!あ、あああ、だ、だからって、そんなに、きっ急に、あああぅぅぅ」
身構えるまもなく、彼の中指が、ピーンと私の敏感な部分を弾いた。あまりの激しさに、私は跳ね上がり、つま先立ちの姿勢になってしまう。すると、今度は私の船底の部分をクィ、クィっと擦り上げてきた。私は、もう立っていられなくなって、壁とベッドの間のその狭いスペースにへたりこんでしまった。
「疲れちゃったかぁ、ごめんごめん。ベッドに横になっていいよ」
ベッドの上に誘われ、真ん中部分に横たえられた私。彼の両手から、眼が離せない。その左右の手で湿ったパンティを一気に奪い取ってほしい。
「え、何を、何をしてるんですか、そ、添田さんっ!」
彼は、私の関心の中心地から最も遠いところ。つまり足の先から愛撫を始めた。これ以上焦らされたくない、そう思った瞬間に、彼の舌先が私の足裏をぺろっ、ペロペロ、っていう感じで縦に走った。
それはイヤっ、って言おうとした瞬間、今度は彼、私の足の親指をパクリと咥えた。すると、親指から始まって、順繰りに足の指一本一本をチュウ、チュウって吸いはじめた。舌は足の指の間をペロペロと舐め上げている。
「き、汚いです、添田さんそんなところ、舐めないで!」
「ごめん、イヤだった?」
「イヤとかではなくて、それに、洗ってないですから…」
「じゃあもうやめよっか?」
「えっ…」
止めてほしい、とは言えなかった。何故って?本当は全然、止めてほしくはなかったから。足は変な匂いとか味がするんじゃないかと思って、恥ずかしいけど、それより大好きな彼がそんなことまでしてくれると思うと、ウットリとするほど気持ちが高まる。
足舐めの奉仕が、急に中断されて、ムラムラした気持ちが頭の中を充満してくる。
「やめないで、舐めてほしい…」
言ってしまった。
彼は勿体ぶらずに私の左右の足裏、指の間をものすごく丁寧に舐めしゃぶってくれた。頭がジーンと痺れたようで思考がスローになる。目を閉じて、彼の唇と舌が与えてくれる刺激だけに全神経を集中させる。早く、早く来て!強く願うと、それに応じてくれたみたいに、彼の唇は私の脛から腿の間をテンポよくスキップし、啄むようにしてキスマークを付けながら、私のイヤらしい「震源地」へと近づいてきてくれた。
彼の高い鼻の先が、ツン、ツンとパンティのクロッチ部分を突いて回る。この分だと、下着は雫が落ちるほど濡れているだろう。パンティ越しに、私の分泌したものが彼の鼻の先を濡らしているのだと思うと、切ないような、甘ったるいような不思議な気持ちになってくる。
そこから先、彼はもう焦らしはしなかった。パンティの腰の部分が荒々しく掴まれると一気に足首から奪い去られた。

彼は、手際よくコンドームを自身に装着すると、私の両足の膝裏部分を鷲掴みにし、ガバっていう感じで割開いた。
私は、二つの恐怖に身を震わせる。一つ目はもちろん破瓜に伴う肉体的な痛みへの恐怖。二つ目は自分が痛みに耐えきれなくて彼を受け容れることができない恐怖…。
「あ、あの、添田さん、私、実は…」
「うん。分かるよ、言わなくても」
「え?」
「痛くないようにするから、安心して、リラックスして」
…ああ、彼には私が処女だってことも、お見通しだったんだ。私は、私の膝裏を掴んだ彼の手を上から握りしめ、眼をウルウルさせながら言った。
「添田さん、私がどんなに泣いても、叫んでも、絶対、途中でやめないでください。私、添田さんと最後まで、ちゃんとしたいんです…」

添田さんが上体を折り重ねてきた。両手で私の頬に絡まった髪の毛をかき分け、自分の頬をピッタリと重ねる。右手が私の頭を柔らかくホールドする。左手は、私の右手を握りしめてくれている。

「うん。絶対、最後までしよう」
少しでも痛くないように、彼は唾液をいっぱいにして、私のヴァギナに吸い付いてくれた。既に愛情の分泌物で沸き返っていたんだけど、彼はさらに唾液の足し湯をしてくれる。二人の混濁液で溢れた蜜部に、彼のペニスが寄せられた。
こんなに優しい男性が、この世に存在しているなんて。そして今、彼は他でもない私を抱こうとしている。
ああ、ついに、来る。彼の固い尖端を、入り口の部分に感じる。0.01ミリの薄膜を介してだけど、彼の体温がしっかりと伝わってくる。私の女の部分が、ミシ、ミシミシって、拡張していく。痛いといえば、もちろん痛い。だけど、彼に頭をホールドしてもらって、耳元で「大丈夫、痛くない?」って何度も何度も聞かれてると、陶酔感の方が勝った。
だけど、大きく張り出した亀頭の部分がすっかり中に入ってから、その先は、やっぱり言葉にできないほど痛いし、何より恐ろしい。私の中の薄皮を、彼自身が頭から突き破ろうとしている。
一思いに、思いきり乱暴に突いてくれた方が楽なのかな。でも、やっぱりそれは怖い。怖いよぉ、痛いよぉ、と甘ったるい声で彼に泣きついてしまう。彼はヨシヨシってするみたいに頭頂部を撫でてくれるけど、さすがに痛みは飛んではいかない。彼の手を握る右手に、思わず力が入る。目から大粒の涙が流れて、彼の肩先に付着する。
「痛いよね、ごめんよ。もしよかったら…、俺の肩に、思いっきり噛みつくといい。痛いの、シェアしたら、少しマシに感じるらしいから」
「えっ、ウソ、そんなこと…」
思っても見なかったような優しさに戸惑いながらも、彼に導かれて、彼の肩に口元を寄せる。薄い筋肉の張った男らしい肩。添田さんの汗の匂いと味が口の中を満たす。
「い、いいぃぃぃぃ、ご、ごめんなさい、添田さんっ、い、痛くて、むぅぅんっ」
「いいよ、ほら、遠慮しないで、食いちぎるくらい、強く噛んでいいから」
「ぐっ、ぐぅぅ、うぅぅぅぅ…」
彼の肩に、ギリギリと歯型を刻み、呻きながら、私の身体の中で何かが弾けた。
彼の存在を、さっきよりももっと奥で感じる。未踏の領域に、入ってきてくれる。痛みはもう、遠くで聞こえる波音みたいに微かだ。代わりに、身体の奥と皮膚の表面、二人の接触面がボーっと火照ってくるのを感じる。幸せっていうものがあるとしたら、それはこの熱のことだ。
「おめでとう、笠谷さん」
「あ、ありがとうございます、う、うれしい…」
思いが、溢れた。私は両手と両脚で、ありったけの力を絞って彼を抱き寄せた。くっきりと歯の形に凹んだ彼の肩の皮膚をチロチロと舐めながら、私は彼を絶対に放さない、放すもんか、と心に誓った。

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