[あらすじ]
人妻で美容師の弥穂は、夫の零士とともに小さなヘアサロンを開業する。だが時を同じくして、新型ウィルスの伝染病が日本で猛威をふるっていた。

客足は遠のき、ついにはロックダウンで街はゴーストタウン状態に。
ウイルスの全世界的な拡大を前に、夫婦の蓄えはみるみる枯渇していく。
友人で、地元の信用金庫に勤める下村にだまされ、零士は筋の悪い金を掴まされる。やがてヤクザまがいの借金取りが現れ、零士は強引に危険なウイルスの"除染現場”へと連行されてしまった。

最愛の夫と引き裂かれた弥穂。零士が過労によって倒れたことで、「返済の代わりに」と、弥穂は借金取りたちによって身体を弄ばれ、犯されてしまった……。

縋るような思いで下村に助けを求める弥穂。だが、卑劣漢の本性を現したその男の手で、決して引き返せない、性の奈落へと引きずりこまれていった…… 。

2026.01.23 永井 亮
凌辱、NTR
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「ああ、外の空気ってやっぱりいいなぁ。非常事態宣言が出てから、ほとんど外で歩いてなかったからね」
時彦が満面の笑みを浮かべながら笑いかけてくる。弥穂は、当惑しきった様子で、時彦の腕にしがみつくように、四谷の街を歩いている。
浴室でずぶ濡れにされた洋服や下着は乾燥機にかけられていた。「乾くまでの間、気分転換に外へ出よう、そう言った時彦が弥穂に手渡したのは、ヨガのインストラクターがするようなスポーツブラとホットパンツの上下だった。
「こ、これで、外を……」
抵抗を示す弥穂だったが、時彦ににらまれ、舌打ちされるとビクっと身を震わせてしまう。一度肉棒で心の底から支配感を味わわされると、女は弱い。理不尽な要求でも、受け入れざるを得なくなってしまうのだ。
着用すると、後列な違和感に見舞われた。普通なら入っているべき胸のパットが引きちぎられているのだ。薄いナイロンの生地だけでは、弾む胸の振動を抑えきれない。そればかりか、イエローの生地は、遠くからでも人目を引く。通行人にジロジロと見つめられることに耐えきれず、弥穂は時彦に身体を擦り付けるようにして少しでも無遠慮な視線から身を守ろうとしてしまう。
「時彦君、恥ずかしいわ。ねぇ、もう帰りましょ」
 だが、時彦は一向に踵を返そうとはせず、気づけばJRの四谷駅の前まで来ている。
「まさか、電車に乗るつもりじゃ……」
「うん。四谷はあまり遊ぶところがないからね。お茶の水まで行こうよ」
「冗談はやめて!こんな格好で、電車になんて……」
「大丈夫だって。ほら、ジムとかでたまにこういう恰好の人、いるでしょ」
 だが、いくらなんでも電車の中でこんな恰好をしている女性はいない。しかも、きちんとしたトレーニングウェアではなく、淫らな細工を施された衣装は、卑猥そのものなのだ。
改札の前で押し問答する二人を、遠巻きに何人もの男達が見つめている。そんな観衆が、一人、また一人と増えていき、弥穂はようやく観念して、改札をくぐった
中央線の電車に揺られる間も、時彦は弥穂を抱き寄せたり、尻を情熱的に撫でさすったりして周りの注目を集めることを躊躇しない。
大きな声を出してさらに見物人を増やしたくはない。弥穂は、「やめて」と消え入りそうな声で呟くが、電車の走行音でかき消されてしまう。
「ねぇ、舌出してキスのおねだりしなよ」
「そんなこと、できない……」
「弥穂がエッチなのはもうバレバレだよ。こんなに乳首尖らせちゃって。今更恥ずかしがってても仕方ないだろ」
 必要以上に大きな声で揶揄われ、弥穂は慌てて時彦の口を押えようとするが、敢え無く交わされ、逆に抱きすくめられてしまう。
「ベロチュー、だよ。ほら、早く」
「うぅぅ、こうですか……」

弥穂は、ついにおずおずと舌を差し出す。時彦に舌を吸われるのかと身構えたが、一向に唇を重ねてこない。代わりに自分の舌を前歯の先から少し覗かせている。弥穂は、自分からキスを仕掛けてくることを要請されていることを悟り、懊悩した。ただでさえ非常識な恰好を公共空間に晒しているのだ。そのうえ衆人環視の中でキスを迫る勇気など持てるはずがなかった。
できません、そんなこと、と目で訴えかける弥穂の股間に、時彦が長い腕を伸ばして迫る。
「えっ、何を……」
時彦は、弥穂のホットパンツの股間の部分を弄り、そこにファスナーの引手を探りあてると軽く引っ張り上げた。股間の部分が親指の爪ほどの幅ではあるが、開口してしまった。
「ひゃ、やめて!」
 甲高い悲鳴を上げたばかりに、居眠りしていたり新聞を読んでいた中年サラリーマンたちの視線まで引寄せてしまった。抵抗すればするほど、立場が悪くなるぞ。そう言わんばかりに、時彦はニヤニヤしながら弥穂の焦せる様を目で楽しんでいる。依然としてファスナの引手を摘まんでいる。従わなければ全開にするぞ、暗にそれを仄めかされると弥穂はもう観念していった。
「分かったから、するから、もうやめて……」
伸長百七十五センチと長身の時彦に比べて、百五十センチに満たない弥穂は必死で背伸びしたり、時彦の頭を押さえつけたりしないとキスも容易に捗らない。強制された行為とは知らない観衆には、痴女が若い男に襲い掛かっているようにしか見えないだろう。
野次馬の囁き声が、不意に耳に入ってくる。
「あのエロい恰好した女、人妻だろ?指輪してるぜ」
 弥穂は、自分が指輪をつけていることを思い出した。思わず、それを外そうとするが、時彦に制止される。
「男の方は若いし、大学生くらいか?」
「人妻のくせに、若い男を漁って遊んでるのか」
「ああ、外出自粛だなんだで、頭がおかしくなっちまったのかもなぁ」
 心無い言葉が、罪悪感に苛まれる心を惨く抉る。そんな嘲りすら、膣の妖しい疼きに結びついてしまう。(ああ、私、最低な女だわ……)

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