(な、なんでこんなに、固いの……)下村のペニスはサイズこそ標準的で、ほぼ零士と同じくらいだったが、その硬さは人並み外れていた。ほとんど木の丸太を埋められているような感覚に弥穂は狼狽えた。それでも感じている素振りは見せないよう、唇を固く引き結ぶ。
だが、硬い雁首が、膣壁の天井のざらついた部分を引っ掻くと、堪えきれずに声が吹き零れる。すぐに両手で口を覆う。だが、その手首を下村に掴まれ、ソファのひじ掛け部分にグッと押し付けられる。弥穂の弱点を見出した下村は何度も何度もしつこくそのポイントを擦りつけた。押し殺したような吐息が、少しずつ荒くなっていき、時折短い悲鳴が口をついて出てくる。
「大丈夫だよ、弥穂さん。感じてもいいじゃないか。いままで散々辛い目にあったんだ。これはご褒美みたいなもんだよ。今夜だけなんだから、楽しんでほしいよ」
おためごかしに過ぎなかったが、下半身ではペニスと膣襞の濃厚な摩擦が繰り広げられているせいで、冷静な判断が不可能になっている。甘い口調で囁かれる言葉の心地よさだけで、弥穂は不覚にも心を許していまいそうになる。気づけば花蜜がたっぷりと沁みだし、下村のペニスをコーティングしていた。抽送の度にジュボ、ジュボジュボっと湿った音色がリビングに木霊した。
「もう、しないで……」
たまらず弥穂が嘆願の声をもらすと、下村の腰がスーッと離れていった。鋼鉄の肉棒が雁首で膣壁を引っ掻き回しながら後退していく刺激は強烈だった。亀頭の部分だけを残して、肉竿のほとんどが外に出てしまうと、弥穂はほとんど無意識のうちに下村の腰を両足の腿でぎゅっと挟み込んでしまう。(ああ、私何を……)
「ふふふ、離れたくないんだよね?俺も同じ気持ちだよ。ほら、またあげる」
「あ、あぁぁぁん!」
膣天井に切先をグリグリ押し付けながら、再びペニスが逆流してくると、弥穂はもう嬌声を抑えることも能わず、身悶えしながら叫んでいた。
激しいピストン運動もなしに、弥穂はあられもなく発情させられた。延々と続く膣壁への圧迫感だけで、早くも快感の頂が意識されつつあった。スローな抜き差しだけでこんなにも追い詰められてしまう自分の肉体が恨めしい。このまま、下村が本格的に腰をぶつけてきたら、自分はどうなってしまうのだろう……敗北の予感が、胸中に充満してくる。
「感じていいんだよ。生でぶつかって気持ちいいのは当然さ」
下村が耳元で囁く「生」という言葉に、弥穂はハッとさせられた。
「し、下村さん……中には、中には絶対、出さないでください」
恐る恐る弥穂が頭上の下村の顔を覗きながら言う。だが、下村はイエスともノーとも言わずに緩慢な抜き差しを続けて弥穂を炙り続けるばかりだ。
「し、下村さん、聞いてますか……中は、中だけは、困りますっ。ぜ、絶対、うぅぅんっ、だ、ダメですから」
「弥穂さん、俺、責任取る覚悟あるよ」
「な、何を、おっしゃってるの……」
「俺との間に子供が出来たら、弥穂さん、もうアイツの妻じゃあいられないよね」
「いや!聞きたくありません、そんなこと!もう、抜いて、抜いてくださいっ!ああっ!」
下村が、抜き差しのペースを加速させてきた。雁首を使ってGスポットを高速でスクラッチされると、眩暈がしそうなほどの刺激に、視界が揺れた。下村の方でも、亀頭を通じて全身に伝わる膣粘膜との甘美な接触によって、急激に輸精管が膨張していく。込み上げてくる精の濁流を押しとどめようとでもするように、眉間に皺が寄っている。この一週間で、散々男の精を浴びた弥穂には、下村が限界に近付いていることが手に取るように分かった。
「はぁ、はぁ、はぁ、弥穂さん、俺と一緒になろう。俺、本気だよ。ほら、中の、一番奥で出すからね。う、ぐぅぅぅぅ」
「ダメ、いけないわ!下村さん、ねぇ、抜いて、もう抜いてぇ!」
ビシャ、ビシャっと飛沫が子宮頚部に吹きかけられる。弥穂は心の中で夫に詫びた。
(あなた……私、また、汚されました……)
長い長い射精と全身の痙攣を経てもなお、下村は結合を解こうとはしなかった。いや、それどころか奥深くに鋳込んだ精を子宮に塗り付けるようにゴリゴリと秘奥を突いてくるではないか。その肉竿の硬度は、恐ろしいことに射精前とほとんど変わらぬ勢いを保っている。
「もう、十分でしょう。放してください。シャワーにいかないと……」
「ごめんよ、弥穂さん、まだイってなかったよね。ちゃんとイかせてあげるからね」
「バカなことを言わないで。一度きりと約束したはずです。早く、抜いて!」
「一度きりか。そうだな。一度挿れて、抜くまでが一回だろ?」
「な、なんですって……」
「俺は抜かずに連続で三発はできるからね」
「騙したのね……ひどい、私、恨みます、下村さんのこと……」
弥穂は、もう悔し涙で頬を濡らしていた。
「おお、泣いちゃったか。かわいそうに。俺があやしてあげるよ。それ」
下村の屈強な腕が弥穂の背中に回り、弥穂は、そのまま抱き寄せられた。下村は、あろうことか繋がったままの弥穂を抱きかかえ、立ちあがった。
「ひ、ひぃぃぃ」
下村が腕の力を少し弱めると、その分自重が結合箇所にのしかかる。固い金属の文鎮のような肉棒の存在感を、否が応でも味わう羽目になった。
「弥穂さん、これ、気に入ったみたいだね。ほら、少しこうして歩いてみようか。ふふふ、奥がズキンズキンくるだろ?」
下村がリビングをデタラメに歩きまわる度、膣奥がドスン、ドスンという強烈な打撃に見舞われる。悲鳴をあげる弥穂の反応を愉しみながら、自らも腰を振り立てる。弥穂はもう絶叫しながら許しを乞う始末だ。
「素直になりなよ。好きなんでしょ、こういうのが」
「違う、もう辛いの。お願い、もう降ろして、これ以上は……お願いだから」
駅弁ファックの威力の前に、弱り切った弥穂。その耳元に、下村が囁く。
「じゃあ、続き、ベッドでやろっか?」
「いや、それだけは、ああああんっ!」
ベッドに行かないなら、このまま延々と突いてやる。そう言わんばかりに下村が突き上げを強めてくるので、弥穂はパニック状態に陥った。夫婦の寝室に、他の男を招くなど、罪悪感が耐えられない。だが、このままでは、早晩気を遣ってしまう。下村の前で絶頂を晒してしまえば、いよいよこの男を本気にさせてしまいかねない。迷った末、弥穂は好色漢をベッドに誘うことを選択した。
ベッドのうえで、対面坐位となると、下村の手が弥穂の着衣を剥ぎにかかった。白黒ボーダー柄のニットの中に手を潜らせ、慣れた手つきで背中のブラホックを外すと、衣服ごとずり上げ、頭から脱がせてしまった。微かに抵抗の素振りを見せる弥穂だったが、結合部から込み上げる快感の痺れで、動作は緩慢、弱々しい。スカートのホックもあっけなく外され、毟り取られる。既にパンティは奪われている。弥穂は全裸に剥き上げられてしまった。
寝室は、灯りがついたままだ。全裸を余すところなく男に晒す羞恥を、弥穂は身を捩って
訴えた。
「電気、消してください……」
「ダメだよ。これっきりなんでしょ?しっかり目に焼き付けておきたいんだ。弥穂さんのきれいな裸を」
肌を隠そうとする両手を、背中の後ろ側に捩じり上げ、両手首を一つにして下村は片手でそれを掴む。もう片方の手と、舌は、無防備な乳房に襲い掛かった。乳袋の重みや柔らかい感触を楽しむように下から持ち上げたり、あるいは桃色の乳輪の周りを撫ぜたり。敢えて乳頭部分には触れずに、周辺を指の先、舌の先が微かに触れるくらいに這う。今か今かと刺激を予期した乳頭は独りでに膨れていくので、下村は上機嫌だ。
弥穂が切なげな鼻息を漏らし、恨めし気な視線を向けてくるのを気づいていながら、あくまで焦らし続ける。
「ん?どうしたんだい、そんなにトロンとした目をして。酒に酔ったみたいな顔してるじゃないか」
「な、なんでもありません……」
「それにどうしたの、これ」
下村が唐突に中指で乳頭をピーンと弾いた。あぅっ、と悲鳴のスタッカートが寝室に響く。だが、それっきり乳頭はまた放置を決め込まれる。
「ああんっ、い、意地悪……」
「何がだい?好きなことしてあげるから、リクエストしてくれよ」
下村はヒントを与えるように、弥穂の眼前で舌をペロリ、ペロリと動かす振りをする。
弥穂の脳裏に、乳首が舐め上げられるイメージが植え込まれる。意識が乳首に集中することで、ますますその尖りは先鋭化する。
「おねだり、聞きたいな」
「う、ぅぅぅ、な、めて……」
「えぇ?なんだって?何をどうしてほしいの」
「ですから……私の、ち、乳首を……舐めてほしい」
「へぇー、そんなこと言っちゃうんだ?あぁ、零士にも今の、聞かせてあげたいなぁ」
屈辱と背徳感に耐えながら吐き出した台詞にも関わらず、下村の舌は一向に腫れ上がった乳首をあやしてはくれない。ただ意地悪な言葉嬲りだけが繰り出される。
弥穂は、激しく抗議した。
「ああ、ひどいわ、下村さん……こんなことを言わせておいて……あんまりよ」
「ふふ、ごめんごめん。焦らすつもりはなかったんだよ。じゃあ、思いっきり舐めまくるから、覚悟してくれよな」
下村の唇が、一気に弥穂の乳首を吸い上げた。ズルズル、ズーッと下品な音を立てながら、乳房諸共口の中に含み、口内に導くと、中で待ち構えていた舌が上下左右に猛烈なビンタ
を乳頭に加える。もう片方の乳房は、指でコリコリと扱き上げられている。お預けをくらっていた尖端は、唐突な刺激に、狂喜した。もう、思いきりヨガリ声を上げる自分を、弥穂は制止しきれなくなっていた。
「いやぁ、うれしいなぁ。弥穂さんがこんなに喜んでくれるなんて。でもいいのかな、隣の部屋の人に、迷惑じゃないか?」
「ああ、そんな、言わないで……」
弥穂は、恥ずかしさのあまり、口元を必死で覆った。その姿の愛らしさに、下村は思わず頭頂部をなでなでし、愛でた。
「感じてる弥穂さんの姿、可愛いよ。俺、弥穂さんが気持ちよくなってるところ、もっと見たいな」
「もう、許して。変に、なってしまう……」
「許さないよ。二度目の射精は完全にコントロールできるからねぇ。待ってても終わらないよ。弥穂さんがイクまで、俺も出さないから」
「ああ、そんな……」
多彩な責め手で乳首を転がされ、腰は絶え間なく「の」の字を描くように運動している。上半身も下半身も甘い痺れに絡めとられ、おまけにそれがいつまでも続くと宣告される。弥穂は下村の責めを耐えきれる自信がなくなってきた。
「一度イッたら、すっきりするよ。このままじゃあ、弥穂さんだって辛いだろう?いいんだよ、イッても」
「お願い、これ以上、惨めな思いをさせないで。イヤなのよ……」
「強情だなあ、まったく」
下村は弥穂の上体をベッドの上に横たえると、結合部を少し浮かせ、さらには両脚を自分の肩の上に載せた。いわゆる屈曲位の態勢だ。
「弥穂さん、さっきの感じだと、奥の方、相当弱いでしょう?この体位だったら、ふふ、すごいことになるよ」
「し、下村さん、怖いわ……」
下村が腰を上から下へと打ち下ろす。鋼の塊でポルチオ器官をノックされる。弥穂は思わず白い喉を突き出して喘いだ。(こんなの、もう無理!)
「弥穂さんがイクまで、ずっと続けるからね」
肉と肉の衝突の度に、視界の中がパッと弾けるような感覚に、眼が眩んだ。長いストロークで、結合部から溢れかえった愛液がブシャ、ビシャと跳ねる。
「ふふ、すごく下品な音がするね。弥穂さん、こんなにはしたなかったんだ」
「ああんっ、言わないでっ、恥ずかしいわ……」
「恥ずかしくなんかないさ。もうイキそうなんだろ?弥穂さんと一緒に、俺もイクよ。だから思いきりイクって叫んでみなよ」
「ぃぃぃん、そ、そんなっ……はっ、はああ、は、激しすぎます、ちょ、ちょっと、止めて、止めてください、下村さんっ、も、もうダメ、い、イクっ、イッちゃう……」
絶頂を自白する、あえかな声とは裏腹に弥穂の身体の反応は激しかった。ブルん、ブルんと総身を跳ねさせ、硬直と痙攣が、二十秒、いや三十秒は続いた。快感がようやく全身から放電されても、弥穂は依然小刻みに震えている。
「はははっ、ずいぶん派手にイッちゃったね。これから今のやつ、あと5回は味わわせてあげるよ」
「はぁ、はぁ、はぁ、そ、そんな、約束が違う、ああ、ダメ、少し休ませて」
「却下。今めちゃくちゃ敏感になってるんでしょう?一気に天国に行かせてあげるよ。ふふ、もう零士のことなんて忘れちゃうくらいにね。そら、そら!」
「あああああっ、そんなにしたら、ま、また……」
「ええっ?もうイクの?」
「もう、許して、しないで、これ以上は、ねぇ、もう辛いの……」
「オマンコの方はうねうね動いて大喜びだけど?」
イヤらしい身体の反応を好き放題に呼び起こされ、弥穂はもう完全に下村の男根の奴隷と化していた。
「我慢、できない……い、イクっっ!」
屈曲位での杭打ちは、延々と続いた。弥穂の絶頂は、回を重ねるごとに容易く達成され、かつその痙攣の激しさは増すばかりだった。下村は、杭打ちのペースを調整することで弥穂の生殺与奪の権を行使した。敢えてペースを落とせば、弥穂は八分の高みで留め置かれた。エクスタシーへの欲求は、血液の中に流れ込んだ毒素のように弥穂の忍耐を奪った。狂悶のあまり下村に命じられるがまま、ふしだらな懇願の言葉を口にしていた。
「下村さん……もう、たまらないの、イキたい。意地悪しないで、ひと思いに……」
「どうしてほしいんだ?」
「も、もっと……突いてほしい……」
「あーあ、言っちゃったねぇ。言ったからには、覚悟してもらうよ。すごいのをプレゼントしてあげる」
下村のペニスがヌルっと最奥のエリアまで割り込んでくる。先端は、ぴったりと秘めたる器官に重なる。そこから、アスファルトの舗装工事に使われるランマー機さながら、小刻みで強烈な振動が送り込まれる。刺激に焙り出されるように、徐々にポルチオが張り出してきて、男女の接触はクライマックスを迎えた。
「ひ、ひっぃいぃぃぃっ、ぃぃぃっ、い、イッちゃう、す、すごすぎる、おかしく、なっちゃう、あああああああっ!」
「うぉぉぉ、俺も、もう限界だ。出すよ!もう一回」