カレとワタシのひどく不適切な愛情 / 第1章 セクハラ被害

初めは、添田さんが出張や外出の日だけ、我慢すればよかった。とにかく、自分の心と体を、石のように固くして。ひたすらその日が終わるまで、耐えた。
でも、ある日、あいつはついに添田さんがオフィスにいる日にまで私に迫ってきた。
夕方、帰宅前にコーヒー用のマグカップを給湯室のシンクで洗っている時、そっと、背後から忍び足でやってきた。スラックスの前の部分を思いっきり膨らませながら、私に詰め寄ってきた。
「ちょ、ちょっと、今日は、何もしない日のはずです。あの人が、まだフロアにいます!」
「ああ、でもムスコが言うことを聞かなくなっちまってなぁ。手コキも飽きたし、しゃぶってくれよ」
 実際、この男は、手の刺激に慣れてしまったようだった。日に日に辛い奉仕の時間が伸びていることには、私も気づいていた。
「さっさとしねぇと、添田のやつがフラーっとこの辺通りかかっちまうかもなぁ」
 そう言いながら、ベルトを緩め、ファスナーを下ろし、醜いソレを掴み出した。今、この瞬間を誰かに見られるかもしれない。しかもその目撃者は、添田さんかもしれない。私は、被害者のはずなのに、何故か自分が共犯者で、悪事を働いているような錯覚に陥っていた。
 パニック状態の私の頭頂部を、男のゴツゴツした手の平が強引に押してきた。給湯室の壁に背中を沿わせて、私は床に尻もちをついた。私の口の高さ、忌々しいほどちょうど同じ高さに、肉の塊が差し出された。私の頭部を左右の手でホールドしながら、私の口元から侵入した男のソレは、喉の奥を目掛けて振り立てられた。
「へへ、下手な手コキをさせるより、こうして口オナホやってた方が役に立つよなぁ、お前は」
嗚咽を押し殺しながら、吐き気のする時間を耐えた。笹山の方はというと、好き放題に口を犯すのがよほど楽しかったのか、その日はすぐに射精に至った。
「ぉお、ぉぉぉおらぁ、全部だ、全部飲み込めよぉ、おらぁぁぁ」
絶対に逃がさないというように、頭を押さえつけてくる指先に力が入る。我慢できない苦味が舌の上や、頬の裏、歯茎の周りにまで広がって、涙が溢れてくる。もう口の中で受け止めきれない。力を振り絞って男の腿の付け根の部分を力いっぱい押し返した。
すると、ペニスは、思ったよりあっさり口から飛び出した。
「このアマぁ、ふざけんな!くっそぉぉぉっ!」
楽しみを中断されたことに、よほど腹が立ったんだろうか。大声で叫びながら、自分のソレを握りしめ、痙攣しながら扱きたてて、最後の体液を私の髪やスーツのスカートの上にまき散らした。
身震いが収まると、今度はしゃがみ込んで、私の頬を思いきり掴み上げた。先に口の中に放出された、粘つく塊。それを吐き出そうとする私を、制止するように言った。
「吐き出すんじゃない。もったいないだろうが。飲め、飲みほすんだ、早く」
 生暖かくて、ドロドロした食感とあの苦味。まるで工場廃液でも飲まされているような、悲壮な気分だった。それは、添田さんのそれとは、全く違うものに思えた。
「明日は絶対、最初から最後まで、一滴残らずゴックンさせるからな」
ワイシャツをスラックスの中にしまい、ベルトを閉めながらそう言い捨てて、笹山は給湯室を去っていった。

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