「私、社長秘書の鈴原美冴っていうの。このかわいい子は社長と私のペット、兼時々秘書って感じ。ずいぶん年下ではるけど、これからあなたの先輩になるわけだから、いろいろ話を聞くといいわ。ふふふ、ショックが大きすぎて気絶しちゃうかもしれないけど。さて、スケベオヤジも去ったことだし、あなたも何か着るものが必要ね」
鈴原、と名乗ったその秘書に言われて、私は自分が裸であることを意識させられた。足元に脱ぎ捨てられたブラウスと下着を手に取ろうとしたが、女のヒールがそれを踏みつけた。
「違う。それじゃない。来なさい、こっち」
鈴原に手を取られ、部屋の奥のロッカーの前まで連行された。女の手で開け放たれたロッカーの扉の奥には、際どい下着や、ありとあらゆるコスプレ衣装が端から端までびっしりと詰まっていた。
「先輩秘書の優奈が制服だから、あなたも何か女子高生っぽいものがいいわね」
「じょ、女子高生、ですか……」
二十五歳になって、女子高生の恰好をさせられるのか。そうして、嘲り笑いと一緒に欲情した男の視線を浴びせられるのだ。
「これなんかちょうどいいじゃない」
鈴原が投げつけてきたのは、服ですらなかった。体育の授業で着用するような、スクール水着だった。…これを、着ろと?
「何?不満なの?イヤならそのまま素っ裸でもいいんだよ」
鈴原が舌打ちしながら、水着を私からひったくった。
「ま、待ってください。着ます、着させてください」
「いいこと?人の厚意は初めから素直に受け入れることね。じゃないと痛い目に合うわよ」
鈴原の両手、親指と中指が、私の左右の乳首を掴んで、捻り上げた。
「ひっ、は、はいぃぃ…」
私は、床に投げつけられたその水着に足を通した。生地が股間に食い込む。強烈な違和感が下半身を襲う。布が、小さすぎる…。収まりきらないお尻のお肉が、みっともなくはみ出ているが、見なくてもわかる。
まだ、なんとか引っ張り上げて、紐を肩に通そうとするけど、これが困難を極めた。両方のおっぱいを中に入れるには、やはり、布がどうしても小さすぎる。かといって、胸を丸出しにしているわけにはいかないし…。しゃがみ込んだままの姿勢で、助けを求めるように、鈴原の方に視線を向ける。
「ずいぶんきつそうね。たしかに、これは優奈が着ても結構タイトなやつだから、あなたみたいな、ムチムチ体型にはちょっと無理があるかもねぇ」
「う、ぅぅぅ…では、別のものを」
「却下。先輩の優奈だって、こんな格好で恥ずかしい思いしてるんだから、あなたも身体張らなきゃ」
「あ、な、なにを⁉」
鈴原の手が水着の肩紐にかかり、思いきりそれを真上に引き上げた。
「そ、そんなに、無理にしたら、破れちゃいます!」
「はは、それは面白いわぁ、お尻が大きすぎて水着が破れちゃったなんて、社長、きっと喜ぶわよ。ねぇ、優奈、あなたも見てないで手伝いなさい」
「ああ、あなたまで…」
「ごめん、なさい…」
少女は、か細いこえで、呟くように言いながら、肩紐に手をかけた。左右が、鈴原と優奈さんの手で引き上げられる。なんとか、胸の乳首の部分は水着の中に隠れた。でも、乳房の三分の一くらいは、脇の部分から、形を歪めながらはみ出している。紐が、肩を通る。肩紐がピーンと張り詰めた布地を引っ張り上げる。そうしてそれは股間の中に、痛いほど食い込んでいる。
「ほら、立ち上がって、鏡、見てごらんなさい」
私は、鏡の奥の、みっともない姿を晒している自分に、ショックを受けた。小さな水着から、飛び出したお肉。なんとか布地の中に収まった部分も布地を押し上げて今にも破いてしまいそうなほど。
タイトすぎるサイズのせいで意識が向かなかったけれど、鏡で見ると、水着の生地自体にも大きな問題が見つかった。色は濃い紺色で、ぱっと見は普通のスクール水着だけど、着ていて妙に薄いというか、軽い感じがして、学校で着ていた水着とは全然違っている。おへそや、乳首に張り付いて、うっすらと形が浮き出しているような…そうだ、分かった。これ、裏地が切り取られているんだ。こんなにキツキツなのに、どこかスースーするような感覚があるのは、そのせいだ…。
「ふふ、かなり無理があって、痛々しいわぁ。でも社長はそういうの好きそうだから、ちょうどいいんじゃないかしら」
鈴原の冷たい嘲り笑いで、心が折れそうになる。添田さんは、こんな私の身体を、好きだと言ってくれたけど、今は、とにかく自分が惨めなだけ。
[あらすじ]
私の名前は、笠谷摩耶。派遣社員。派遣先の会社は例の新型ウィルス感染爆発の影響で全館閉鎖。契約の都合で、在宅勤務も認められず、一時休業状態に。ひそかに好意を寄せる男性社員から、自宅で仕事を手伝ってほしい、と言われてから、私の人生は大きく変わってしまった。
凌辱専業作家が描く、女性一人称作品。「拗らせ女子」が語る、甘く、切なく、狂おしい奈落。
私の名前は、笠谷摩耶。派遣社員。派遣先の会社は例の新型ウィルス感染爆発の影響で全館閉鎖。契約の都合で、在宅勤務も認められず、一時休業状態に。ひそかに好意を寄せる男性社員から、自宅で仕事を手伝ってほしい、と言われてから、私の人生は大きく変わってしまった。
凌辱専業作家が描く、女性一人称作品。「拗らせ女子」が語る、甘く、切なく、狂おしい奈落。
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