[あらすじ]
人妻で美容師の弥穂は、夫の零士とともに小さなヘアサロンを開業する。だが時を同じくして、新型ウィルスの伝染病が日本で猛威をふるっていた。

客足は遠のき、ついにはロックダウンで街はゴーストタウン状態に。
ウイルスの全世界的な拡大を前に、夫婦の蓄えはみるみる枯渇していく。
友人で、地元の信用金庫に勤める下村にだまされ、零士は筋の悪い金を掴まされる。やがてヤクザまがいの借金取りが現れ、零士は強引に危険なウイルスの"除染現場”へと連行されてしまった。

最愛の夫と引き裂かれた弥穂。零士が過労によって倒れたことで、「返済の代わりに」と、弥穂は借金取りたちによって身体を弄ばれ、犯されてしまった……。

縋るような思いで下村に助けを求める弥穂。だが、卑劣漢の本性を現したその男の手で、決して引き返せない、性の奈落へと引きずりこまれていった…… 。

2026.01.23 永井 亮
凌辱、NTR
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その日の夜。弥穂はY信金の営業マンで、零士の親友である、下村真仁を自宅に迎えていた。早朝の電話口、弥穂は取り乱した様子で窮状を訴え、下村との面会の約束を取り付けた。本来であれば、Y信金の店舗か、あるいはどこか静かな喫茶店で話すべきであったが、話の内容からして、どうしても人目が気になるし、そもそも飲食店は依然閉鎖されている。
夫の不在時に男性を家に招き入れるのは抵抗があった。だが、事態は急を要する。今自分が頼みにできるほとんど唯一の存在である下村には、隠し立てすることは得策ではない。そう考えた弥穂は、下村を自宅に招き、自分たち夫婦が置かれている状況を包み隠さず打ち明けることを決めた。ダイニングテーブルをはさんで、弥穂は下村に対してここまでの経緯を語った。
下村が紹介したロケットファイナンスの佐竹は失踪し、闇金の鷹藤の手に借金の証文が渡ったこと。鷹藤の仲間が零士を借金の形にほとんど拉致同然で連れ去ってしまったこと。零士が病に倒れ、借金返済に行き詰ったことの代償として、弥穂は鷹藤らにレイプされ、二日後には彼らが再訪することを予告されていること。そして、いまだに零士の居場所を教えてもらえておらず、それが故に逃亡することもできないということ……。
弥穂の話が進むにつれ、下村は顔面を蒼くし、頭を抱えてしまった。
「弥穂さん、ほんとうに、どうお詫びしたらいいのか。すべて、俺のせいだ。ああ、なんてことをしてまったんだ、俺は!ああ、どうか、どうか許してください、この通りだ」
 下村は、弥穂の前で土下座した。
「実は……こんなことは何の言い訳にもならないのは、よく分かっています、ですが、どうか分かってほしいんです。先月、実家の父親が例の新型ウィルスに感染して、つい先週、他界したばかりだったんです。零士からの電話もちょうどその渦中で、つい折り返しをするのを忘れてしまっていたんです。その間に、まさか、二人がこんな目にあっているなんて……ああ、俺は、バンカーとしてどうしようない罪を犯してしまった!うぅぅぅうぅ」
 下村は自らを罰するかのように額を床にガリガリとこすりつけながら、ほとんど絶叫していた。あまりに激しい下村の反応に弥穂も面食らってしまった。初めは下村に対して助けを求める気持ちが半分、その過失を非難したい気持ちが半分だったが、親の不幸というやむにやまれぬ事情を聴かされては、責める気持ちも遠のいていった。優しく、人一倍共感性の強い弥穂は、下村自身もまたこの災厄の犠牲者なのだ、という風にとらえるようになっていた。
「そうだったんですね……。ごめんなさい、下村さんも辛かったでしょうね。わたし、自分のことばかり言ってしまって。お金のことは、私たちが自分で決めたことでもありますし、責めるつもりはないんです。ただ、なんとかお力をお借りしたくて」
「……こうなったのは、私が軽率にもあんな街金業者を紹介したせいです。その、鷹藤という男の名刺をお借りできますか?明日、直談判しに行ってきます」
「え……でも、あの男たちは、ほとんどヤクザみたいなものですわ。下村さんを危険な目に合わせるわけには……」
「だとしても、そうしないわけにはいけません。それに、零士の居場所を一刻も早く知る必要があります。まともな医療を受けられているのかどうかも定かではありませんし、とにかく急がなければ。明日、早速行ってまいります」
「下村さん……わたし、もう今は頼れる人が誰もいないんです。本当に、申し訳ありません……」

 翌日、弥穂は日がな一日下村からの連絡をただ待ちわびていた。ようやく着信があったのは、夕方ごろだった。
「弥穂さん、少し揉めましたが、なんとか急場は凌げそうです。零士の居場所もわかりました。ちゃんとした病院に入院しているようですよ。状況説明しますので、また今夜お邪魔してもよろしいでしょうか?だいたい、二時間後には到着できそうです」
「ああ、本当に良かった……。あの、よろしければ、主人の入院先の病院名だけでも先に教えていただけませんか」
「あ、弥穂さん、すみません、ちょっと外線が入ってしまいました。また後でお話させてください」
 零士のいる病院名は聞けなかったが、それでも下村が良い報告を持ってきてくれることが分かり、弥穂はホッと安堵のため息を漏らした。下村の報告を聞く間、全身が激しく緊張していたせいか、脇にじっとりとした汗がにじんでいた。下村の来訪の前に、汗を流しておきたいと思った弥穂は、浴室に向かった。
浴室の床に、鷹藤から渡された三本の「捩じり棒」が転がっているのが目に入り、一瞬心臓が締め付けられるような恐怖と屈辱を覚える。下村が交渉に失敗すれば、いよいよ鷹藤を尻で受け入れないといけない状況に追い込まれる。実は、昨夜試みに捩じり棒を自らの菊蕾に押し付けてみたのだが、嫌悪と恐怖のあまり、早々に手を引いてしまった。
(大丈夫よ。こんなおぞましいもの、もう必要ないわ)弥穂はそれらを取り上げると、これ以上見たくないとばかりに、脱衣所の済のゴミ箱へ放り投げた。

「下村さん、その顔は!」
 弥穂は、玄関先で下村の様子を目にすると、思わず悲鳴を上げてしまった。右目に眼帯をし、左の頬は傷を覆うガーゼが貼られていた。鷹藤たちに暴行を受けたことは、想像に難くなかった。
「なに、少し私も感情的になってしまいましてね、あいつらを怒らせてしまった。でも大丈夫です。これ、見てください。私の、けじめです」
 下村は一枚の紙きれをダイニングテーブルの上に置いた。「借入金残高状況確認書」と銘打たれたその様式には、簡潔に以下のように記されてあった。

  借主、園川零士は五月×日、借入金残高百七十万円のうち、百万円を貸主である鷹藤企画へ返済した。よって、同日付の残債権は七十万円となる。

「あの……これって……」
「すみません、今直ぐに降ろせる金が、百万円しかなくて。完済はできませんでしたが、向こう三か月は取り立てをしない約束は取り付けました。なんとか、当面は凌げます」
「ああ、そんな、いけないわ。下村さん個人のお金だなんて」
「弥穂さん、これは私のせめてもの償いなんです。どうか、気にしないでください」
「うぅ、主人が帰ってきて、お店が軌道に乗ったら、必ずお返しします。ほんとうに、なんとお礼を言えばいいか……」
「弥穂さんは何も気にしなくていいんです。そうだ、零士の居場所ですが、場所は栃木県の病院だそうです。ずいぶん田舎ですが、とりあえずまともな病院ではあるようです。明日はちょうど土曜日だし、私も休みだ。早速私の車で向かいましょう。早くあいつに会って、一言謝りたいんです。それに、これからはお二人のこと、俺がしっかりサポートするって言って、あいつを安心させてやりたい」
「下村さん……」
 弥穂は感極まって涙が込み上げてきた。零士と引き裂かれて以来、他人から思いやりに満ちた言葉をかけられることなど皆無だった。この殺伐とした世界で、餓狼のような男たちにこの身を貪られる一生を送ることになるのだと、自暴自棄になりかけていた。そんな自分に救いの手を差し伸べてくれた、この下村という男に、弥穂はすっかり気を許していた。
嗚咽にむせぶ弥穂は、下村にそっと抱き寄せられても、素直にそれに応じた。顔をその厚い胸板に押し付け、ワイシャツを熱い涙で濡らしながら、自らの腕は下村の背中の部分の生地をしがみつくように掴んでいた。

 どれほどの時間が経っただろう。弥穂は下村の腕の中で身を震わせていた。下村の手が、弥穂の頭頂部から肩、背中にかけて優しく撫でている。涙と愛撫の心地よさの狭間で陶然とした状態の弥穂ははじめ気づかないふりをしていたが、下村の所作が少しずつ大胆になっていくことに不安を覚え始めた。
背中をさすりながら、手のひらはほんの少しずつ腰のあたりまで南下していき、ついにはほとんど尻肉の感触を試すような動きに変わりつつある。胸板の上に引き寄せた横顔の耳のあたりに唇を寄せ、
「弥穂さんのこと、傷つける奴は俺が許さないよ。零士が元気になるまで、俺が弥穂さんのこと守るから」
と情熱的に囁きかけると、その耳朶を甘噛みすることまでしてきた。しまいには、弥穂の頬を伝う涙に唇を寄せ、チュッ、チュッとそれを舐めあげるといった行為にまで及んだ。
「あ、あの、下村さん……ど、どうしちゃったんですか……」
エスカレートする下村の行為に、当惑の表情を浮かべながら、身体を引き離そうとする弥穂だったが、大学ラグビーで鍛えた下村の腕で一層強く抱き寄せられる。ふと、下村の下半身が、弥穂の内腿あたりに密着する。スラックス越しにも、下村の固く熱い分身の存在感が伝わってくる。心地よい陶酔の時間は終わり、弥穂は焦燥の色も露わにして、下村を宥めるのに必死だ。
「ご、ごめんなさい。私がいけなかったんだわ。もう、これくらいにしま……むっむぅう」
 弥穂の唇は、下村のキスで封じられた。ついに一線を越えてしまった下村の行為に、弥穂は激しく動揺した。両手で男の胸板を押しのけてようやく唇を引き離すと、
「何をしているんです!こんなこと、ゆ、ゆ、許されないわ……」
 許せない、許しません、というべきだったが、依然として下村を非難することに一瞬の躊躇いが生じた。下村の身体を押しのけようと伸ばした両腕にしても、どこか力が入りきらない。下村との関係性を壊したくない、という心理が働いているのだろう。
なにしろ、零士がそばにいない現在、下村は弥穂にとっての唯一の庇護者だ。それに、零士の居場所もまだ聞かされていない。今、下村に去られたら、零士との再会も果たせないのだ。そんな弥穂の心理を見透かしたように、再び下村の屈強な腕が弥穂の背中に回った。
「ダメです、もうやめて、ああ!」
 小柄な弥穂の身体は簡単に下村の腕の中に収まってしまった。下村は、今度は両手を弥穂の後頭部に回して、がっしりと固定すると、悠々と唇を寄せてきた。弥穂は、真一文字に唇を引き結んで男の侵入を拒みながら、なんとか両手を振り払おうと首を振り乱した。組んず解れつの格闘の末、男女の身体はソファの上に折り重なった。逃げ場のなくなった弥穂は目潤ませながら、下村に翻意を請う。
「ひ、ひどいわ、下村さん……。ねぇ、もう放して。私、下村さんのこと、嫌いになりたくないんです。こんなことが、夫に知られたら……」
「ああ、分かってるよ。絶対に二人だけの秘密にする。弥穂さんと零士の関係を壊すつもりなんて毛頭ないんだ。でも、俺の気持ちもわかってほしい。初めて会った日から、弥穂さんのことがずっと頭から離れないんだ」
「そんなこと……聞きたくないわ。ねぇ、もう正気に戻ってください」
「無理だよ。もう、引き返せない。あいつが戻ってくるまで、俺があいつの代わりになる。弥穂さんのこと、守りたいんだ」
 そう言い放つと、下村は再び弥穂の唇を襲った。不意を突かれて今度は守り切れず、ついに下村の舌が弥穂の口腔内に割り入った。じゅる、じゅるじゅるじゅる、と一心不乱に弥穂の舌を吸い上げては、自らの唾液を流し込む。ともすれば下品とも言えるキスに弥穂は脳幹が痺れるような感覚に襲われた。
「むぅ、むふぅぅん……」
 口の中を縦横無尽に暴れる下村の舌先に翻弄されるがまま、弥穂は甘ったるい鼻息を漏らし始めていた。
 ようやく下村の唇が離れると、弥穂は
「もう、終わりにして……」
と呟いた。だが、その瞳の奥には、情熱的なキスによって灯された女の欲望の兆しが鈍く光っていた。
 下村の両手がふっと頭部から離れ、ベルトのバックル部分にかかった。乱暴にベルトをはがすと、下村は中のボクサーブリーフごと、スラックスを脱ぎ捨ててしまった。
「ダメよ、これ以上は絶対にダメ!」
「もう、無理だよ。止められないんだ」
 下村のスラックスから飛び出したペニスは、腹にひっつくほどに反り返り、まるで男の決意の堅さを象徴するかのように屹立している。
「弥穂さん、俺、大切にするから、弥穂さんのこと」
「いけない、いけないわ、こんなこと、もう嫌なの……これ以上、夫を裏切りたくないの、分かって、ねぇ、下村さんっ!」
下村は、首を横に降り、さらに、決然と腰を弥穂の下腹部へと寄せてきた。目の前の男がもう止められないことを悟った弥穂はせめてもの懇願を続けた。
「うぅぅぅ、どうしても、するつもりなんですね……」
「はい」
「だったら……、せめて、これだけは約束してください。一度だけです。絶対に、これっきりにしてください。それ以上は、絶対に、許しませんから!」
 強い口調で言い放った弥穂の言葉を受けて、下村は無表情でコックリと頷く。まもなく、弥穂のフレアスカートの中に手を入れて乱暴にパンティをずり下げ、切っ先を弥穂のクレバスにそっと沿わせた。

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