[あらすじ]
私の名前は、摩耶。総合商社でOLをしている、二十五歳。 悪質なセクハラに悩んでいたけど、勇気を出して告発した。加害者の上司は、すぐに左遷された。それから私は、大好きな先輩社員と交際中。仕事も恋愛も全てが順調だった。
ある日、人事部から「女子社員向けに、セクハラに関する座談会を開くので、出席してほしい。新入社員研修の一環だから」と言われた。 泣き寝入りする女性がいなくなってほしい。そんな純粋な気持ちで、私は首を縦に振った。

…だけどそれは、巧妙に仕組まれた罠だった。 その先に、自分の恋愛観までも破壊してしまう、淫らな運命が待ち受けているなんて……

2026.01.19 永井 亮
女性一人称、ラブストーリー
読者タグ: なし

私はこれまでの西條君との関係を、その夜で終わらせた。
……でも、同時に。全然違った形の関係が、始まってしまった……

私を何度も大きな波で攫ってから、添田さんも果てた。
「添田さん、私、とっても幸せです。あなたに、イジメてもらって、愛してもらって」
 射精の余韻がすごく長く続いて、添田さんが身体を震わせている間、私は心からの感謝を伝えた。クローゼットの中の西條君にも聞かせてやるつもりでもあった。カレも、きっと諦めてくれるだろうと思って。 
だけど、カレは諦めなかった。
いや、「諦めないでいてくれた」と言わないといけないのかもしれない……

添田さんが、スヤスヤと寝息を立てるのを聞くと、カレが扉の奥から出てきた。衣服も全て脱ぎすてて、全裸だった。初めて会った日と同じように、その先端で私をロックオンしていた。
「ねぇ、西條君。ちゃんと、見てたよね?もう、分かったでしょう?」
 小さな声で、囁くように、でも断固とした決意を固めて言った。
「見てたよ。でも摩耶さん。あれって、この人とセックスしてたって、言えるかな?」
「はぁ?何を言っているのか、意味が分からないわ」
「この人、俺の身代わりだったよね?」
 
*****
 身代わり、という言葉に、カレは力を込めた。
研修室で犯されながら、カレと交わした短いやりとりを思い出した。
「中に出すよ、出すからね。許して、許してくれよ、うぅぅぅ……」
カレは、自分が傷つけてしまった幼馴染の影に、囚われていた。誰かの代わりに犯されて、汚される。その発想は、私に嫌悪感を与えた。今にも射精しそうなカレを見て、私は叫んだ。
「……私は、あなたの幼馴染じゃないから!人を勝手に、身代わりにしないで!」
(結局、次の瞬間、笹山の命令で、他の男の子達の手で身体を引きはがされたので、そのときのカレの膣内射精は未遂に終わった。これは、前に書いたとおりだ)
*****

「俺とのセックスの再現をこの人にさせて、それでイキまくって。だから、摩耶さんは、今ここで、俺とヤッてたのと同じじゃないか」
 意味不明な言い分に、当惑していると、カレはもうベッドの上の私に覆いかぶさってきた。添田さんが、隣で眠っているのにも関わらず。
「イヤなんだよ、別れたくない。捨てないでくれよ、ねぇ、摩耶さん!」
カレの眼から、信じられないほどたくさん、涙が流れるのが見えた。その姿に、すっかり動揺してしまった。
すると、まだ添田さんとのセックスの余熱で、湯気が出てきそうなほど火照った私の股間に、カレが顔を埋めてきた。
「ダメだってば!約束、守ってよ!うぅぅぅ」
「イヤだよ、俺、イヤだよ。俺の、俺の摩耶さんが、俺の、俺の、俺の……」
 カレの哀しい泣き声を、愛おしく感じている自分がいた。カレが舌を私の割れ目の中に差し入れてくるのを感じても、それを突き離そうともせず、ただ彼の髪の中に指を絡ませているだけだった。何をしているんだ、私は。それに、この子は一体、何を……
 カレは唇で、強烈に吸引してきた。そうして、舌を私の奥の方まで差し入れてきた。激しすぎる刺激に、隣に添田さんが眠っているのも一瞬忘れて、甲高い悲鳴をあげてしまった。やがて、カレのしようとしていることの意味が分かると、私の決心はぐらついた。
「これはダメだ、ダメだよ、摩耶さん、こんな奥に……」
 カレは、私の膣の中から、どうにかして添田さんの精液を、掻きだし、吸い出そうとしているのだった。そのことに気づいたとき。私の決心は、ぐらついたというより、既に蒸発してしまっていた。
静かに眠っている添田さんの横顔を見た。

もしも、添田さんが、西條君と同じくらい、私のことを激しく求めてくれたら?
そうして、私をめぐって、二人で取っ組み合いのけんかを始める
お互いに、殴り合って。そうして最後に勝った方の男に、抱かれればいい

狂おしいほどしつこいクンニを浴びながら、そんな、歪んだ発想が頭の中を支配した。止めようと思っても、止められなかった。

いつか、そんな日がくるまで
この愛おしい牡犬君を、手放すことなんて、できない

 そうして、添田さんと西條君と、私。三人の歪んだ関係が始まった。三人の、といっても、添田さんだけは、何も知らないのだけど。
添田さんの大井町の自宅でも、私のマンションでも。一泊二日の温泉旅行の宿でさえも。添田さんに抱かれる夜は、いつも秘かに西條君を部屋に招き入れた。
そうして、添田さんが眠ってしまった後。嫉妬で狂った西條君を誘惑して、たっぷりと口で奉仕させた。
セックスの夜はいつも、破滅の瀬戸際に立っていた。タイトロープの上を歩くように、息を殺しながら、カレの舌で、頂点まで上り詰める。
そんなとき、ああ、私生きてる、って。心からそう思える。

                                   (完)

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