翌日の昼休み。里穂は雄星と宗介を進路指導室に呼びだした。
(最低限の事情聴取だけよ。言い訳は聞かない。退学処分、最低でも停学にしてやらないと)里穂は極めて厳しい表情で二人を迎えた。
「あなたたち、なぜ呼び出されたのか、分かってるわよね?昨日、純平から全て聞いたわ。このこと、今日の職員会議で報告するつもりよ。一応、事実確認だけするわ。あなたたちがやったこと、説明してもらおうかしら」
里穂の口ぶりは深刻で、冷徹であったが、奇妙なことに雄星と宗介はやけにニヤニヤとして余裕の表情だ。あろうことか、茶化すように染谷雄星が言い返した。
「何だよ先生。弟に自分の大事なパンティが盗まれた、って話をするの、職員会議で?」
笑いながら、ポケットからライトブルーのパンティを取り出すと指先でくるくると回転させる。それを見た宗介が大笑いしている。なんという態度だ。里穂は逆上した。
「ふざけるのはよしなさい!あなたたちが脅してやらせたことでしょう!」
「ああ、まあそうだな。でも、そのおかげで、あいつも先生に、『いいこと』してもらえたんだし、悪いことばかりじゃないなかったんじゃないかな」
「えっ…」
染谷の思わぬ反撃に、里穂は急激に鼓動が高鳴るのを感じた。
(『いいこと』って…この子たち、まさか…)
「弟君も、いじめられる度にお姉ちゃんにああやって慰めてもらえるんだったら、悪くない話だよ。なぁ、宗介?」
「まったくだぜ。いじめられっこも悪くねえよ」
里穂は、返す言葉を見つけられず、ただ目を泳がせている。そこに、雄星がスマホ画面を眼前に突きつけてきた。動画が再生されている。写っていたのは、薄暗い教室の奥で、椅子に腰かける男子生徒と、その腰のあたりに顔を寄せている女の姿だ。女の顔は写っていないが、頭を前後させていること、また、窓から差し込む街灯の光に照らされた男子生徒が恍惚の表情を浮かべている。その様子から、口唇奉仕の様子を捉えたものであることは、容易に見て取ることができた。
「こ、これは…」
昨夜、里穂は過ちを犯した。号泣する弟を抱擁するうちに、多感な男子生徒である彼を、意図せずして勃起させてしまったのだ。
「純平…ダメだよ。『いいこと』はもう卒業って、約束したじゃない…」
「ああ、ご、ごめん。でも、このままじゃ、帰れないよ…」
純平は、おとなしすぎる性格と首元の生傷の異様さ故か、これまで小学校、中学校時代に何度もイジメの被害にあってきた。傷ついた弟を癒したい、勇気づけたいという思いから、いつしか里穂は、弟の性器を唇で慰めるという行為に手を染めていた。
姉弟の関係はオーラルセックスだけに留まらなかった。純平が中学三年になるころだった。思春期を迎えて性に目覚めた弟を制止しきれず、里穂はついに肉の交わりを許してしまった。
純平が星園学園に入学したら、こんな不適切な関係はもう終わりにする。里穂はそう決心していた。いじめられる度に、姉に泣きつき、そのたびに「ご褒美」をもらう。そんな習慣は、断ち切らなくてはならない。だが、昨夜の里穂は、哀れな弟を放っておけなかった。苦しそうに股間を抑える純平の姿を、見ていられなかったのだ。
「ほんとに、ほんとうにこれが最後だよ。いいね?もう、いじめなんかに負けちゃダメなんだから、ね?」
そういいながら、暗闇の教室で弟を椅子に座らせ、そのベルトに手をかけた。その背後からスマホカメラのレンズが二人を狙っているとも知らずに……
近親相姦の秘密を握られ、教師と二人の生徒は、すっかり形勢が逆転してしまった。いまや里穂は、学校での淫行、それも実の弟との相姦関係について、弁明を強いられている。
「ふーん、それでフェラだけなの?純平とは?」
「…そうよ。それだけよ。ねえ、もういいでしょ。いいから、その動画、消してっ、今すぐ!」
「はぁ?何寝ぼけたこと言ってるの?純平と俺たちのこと、今日の職員会議の議題にするんでしょ?そしたらこの動画も参考情報として提出しなきゃいけないでしょうよ」
「そ、そんな!や、やめて、おねがい…」
女教師の狼狽ぶりを愉しむように、二人が畳みかけてくる。
「それとも、この動画、クラスのみんなに送ってみようか。ほら、これ、全員が登録してるグループチャットだけど、ここに添付して送ってもいいよ?」
「先生は顔映ってないからともかく、純平は人生終わりだな、こんなのばらまかれたら。バカみたいな顔して、情けない声出しながら射精するシーン拡散されたらさぁ。先生どう責任とるの?まさか弟君と結婚して面倒みたりしてやる気?」
「ダメ!ダメよ、そんなこと、お願い、やめて!」
悲壮感漂う表情を湛え、頭を抱える女教師。雄星と宗介はいつの間にか里穂を左右に挟むように腰かけ、手をその膝のあたりに添えて撫でさすっている。膝丈のワンピースの裾を意地悪くめくり上げるような動作をして、里穂を不安にさせる。やがて、雄星が切り出した。
「ま、この動画の扱いは、先生の出方次第だけどね。あ、そうだ。今日は使用済のパンティ持ってくるように純平にお願いしてたんだけど、あいつサボりやがったな。まあいいや。その代わり、いまここで脱ぎたてのをもらおうかな。ほら、脱ぎなよ、先生」
「バカなこと言わないで、そんなこと、できるわけ…」
「あのさ、先生、最近のチャットアプリって面白いんだよね。予約送信?って機能があるんだよ。この動画、手動でストップしないと十秒後に送信されるようにセットしといたよ。ほら、脱がないと純平の一生が台無しだぞ、十、九、八…」
「ああ!わかったから、止めて、早く!」
結局、里穂はプリーツスカートの下に手を入れ、純白のパンティを透明なストッキングごとずり下ろした。足首から丸まった布地をどうにか引き剥がし、慌てて雄星に差し出した時、ちょうどカウントゼロを迎える寸前だった。
「危なかったね、先生。どう、わかった?自分の置かれてる立場?これから先生は、俺たちの言いなりで、やられっぱなし。口答えしたり、交渉したりする権利はない」
「それと、今の生脱ぎショーもばっちり撮影できたから。ほら、淫乱女教師が生徒を誘惑する画だよ、これ!」
(ああ、このままじゃダメ。ほんとに、取り返しのつかないことになっちゃう。でも、どうしたら…)
底なし沼に足を絡み取られる感覚に、里穂は青ざめている。抵抗力を失った獲物をいたぶるように、悪魔生徒二人は要求をエスカレートさせた。
「とりあえず、僕たちにも『いいこと』、してもらおうかな」
「もう昼休みもあと三十分しか残ってないよ。授業に遅れたら、誰か様子を見に来るんじゃないか?」
ニヤケ顔の二人はベルトを緩め、ズボンを膝のあたりまで下ろす。十七歳のペニスは、二本とも破裂しそうな程に膨張し、天を突く。その勢いを前に逡巡している里穂だが、雄星が舌打ちしながらスマホの操作を始めるのが目に入ると、観念したように唇を男根へと寄せていく。
「時間がないから二本同時にやりなよ」
里穂は、右手を雄星の、左手を宗介のそれに添え、二本のペニスに交互に舌を這わせていく。睾丸のあたりから竿の裏側、雁首を丁寧になめとると、若い男子特有の性臭が鼻孔を、そして苦味が口腔を満たす。
「すげえ丁寧じゃん、先生」
「先生、じっくりやってよ。僕たち授業なんてどうでもいいからさ」
ふと時計に目をやると、午後の始業時間まで、もう十五分ほどしかない。里穂は、まず雄星の屹立を口に含んだ。柔らかな唇で歯をカバーするように、男根を包み込む。
(うう、なんでこんなに、太くて、長いの。純平のと、全然違う…)
雄星の男根は、並み外れて巨大だ。それを咥えるのに里穂は、思いきり口を大きく開けなければならなかった。口腔を凶器で埋められながら、懸命に首を振り立てる。かたや雄星は眉間に皺を寄せてエロティックな感触を楽しんでいる。
リズミカルな頭部の動きに合わせて、里穂の左手では宗介のものをしごく。キュキュと下から上に揉み上げる動きに、宗介も大はしゃぎだ。
一方で、フェラチオ奉仕の前に、やがて雄星の方は軽口を叩く余裕もなくなって、眉間に皺を寄せてうめいている。
(もう少しよ、もう少しで…)
テーブルの上のティッシュペーパーに手を伸ばす里穂だったが、雄星がそれを制する。
「せ、せんせい、ねぇ、ちゃんと飲み干してよ。純平にもそうしてたでしょ、ねぇ?」
雄星は荒い息遣いとともに、口内射精を要求してきた。許しを請うような視線を送る里穂だったが、その様子が余計にこの若者の獣欲を刺激してしまう。雄星は、獲物を逃がすまいと、里穂の頭部を両手でがっしりと掴むと、肉棒を根元まで口腔に埋め込む。
「僕のは、かなり、長いからね。喉の奥で、しっかり、味わってもらうよ、おぅぅぅ、ほら、出すよ!」
ただでさえ長大な肉塊は、クライマックスを迎えて、脈打ちながら一層の膨張を見せた。苦く、粘っこい白濁が、延々と吐き出される。ドクっ、ドクっ、ドクっという濁流が、喉奥や舌の上に充満する。女教師にとって、この悪魔生徒の射精の痙攣は、永遠かのように感じられた。
(く、苦しい、放してよ、もう!)
言葉にならない呻き声をあげる里穂が気づかないうちに、もう一本のペニスが爆ぜようとしていた。
「俺も、もうダメだ、行くぞ、ソラ!」
雄星につづいて、宗介も勢いよく精を噴射した。勢いよく飛び出したそれは、里穂の頬や唇、さらにはワンピースの胸元を、べっとりと汚す。
「ぅぅん、むぅぅぅん!」
依然として口内を雄星の肉棒で支配され、言葉を発することが出来ない。抵抗を封殺された女教師の様を嘲笑うように、宗介が銃口に垂れた白濁の残り汁を里穂の流麗な黒髪や、ワンピースの裾で乱暴に拭い取る。
「ちぇっ、こっちは結局手コキだけじゃん。雄星、次は僕の番だからな」
「ああ、分かったよ。さ、もう午後の授業2分前だぜ、急げ急げ、センセ!」
里穂は、白濁を拭うことも、口をことも許されないまま、教室へと追立てられた。
