[あらすじ]
人妻で美容師の弥穂は、夫の零士とともに小さなヘアサロンを開業する。だが時を同じくして、新型ウィルスの伝染病が日本で猛威をふるっていた。

客足は遠のき、ついにはロックダウンで街はゴーストタウン状態に。
ウイルスの全世界的な拡大を前に、夫婦の蓄えはみるみる枯渇していく。
友人で、地元の信用金庫に勤める下村にだまされ、零士は筋の悪い金を掴まされる。やがてヤクザまがいの借金取りが現れ、零士は強引に危険なウイルスの"除染現場”へと連行されてしまった。

最愛の夫と引き裂かれた弥穂。零士が過労によって倒れたことで、「返済の代わりに」と、弥穂は借金取りたちによって身体を弄ばれ、犯されてしまった……。

縋るような思いで下村に助けを求める弥穂。だが、卑劣漢の本性を現したその男の手で、決して引き返せない、性の奈落へと引きずりこまれていった…… 。

2026.01.23 永井 亮
凌辱、NTR
読者タグ: なし

翌朝、弥穂は始業時間になってもなお、布団を頭から被って身体を丸くしていた。まもなく、坂上や小峰から電話やショートメールが滝のように浴びせられたが、全て無視していた。
いっそ電源を切ってしまおうかと何度も悩んだが、その間に零士から電話があるかもしれない。夫が公衆電話を利用できるのは、ごく限られたチャンスしかないのだ。それをみすみす逃すことになりかねない。
 スマホが、二人の女サディストからの心無い言葉をひっきりなしに通知画面で知らせてくる。
「ねぇ、どういうつもりなの?早くきなさいよ」
「園川さんの裏営業の話、みんなに言いふらすよぉ?いいんですかぁ?」
 自分の痴態を収めた動画を拡散され、おまけに淫売婦に仕立て上げられ、あることないこと吹聴されるだろう。だが、それでももう二度と操を汚されるわけにはいかない。弥穂は、鳴り響く通知音に耳を塞いだ。
 昼過ぎには、とうとう店長らの着信があった。いずれにしても、退職のための手続きは必要である以上、店長とは話をする必要がある。弥穂は、恐る恐る電話に出た。
「園川さん、どうしたんだい?具合でも、悪いのかい?」
「あ、あの、そうではなくて……」
「なにか、うちで働いてて辛いことでもあったのかい?」
「も、もうそちらで働くことは、難しいです。少し、疲れて、身体を壊してしまったので……」
「そうか、でも、ずいぶん急だな。昨日まで、あんなに頑張ってくれていたのに……」
店長の話しぶりから察するに、おそらく客に淫らな奉仕をしていたことは、まだ坂上や小峰から聞き及んではいないのだろう。この、三十五歳前後の柔和な店長が、親身になって心配してくれていることが電話越しにも伝わるので、弥穂は余計に辛かった。
「退職の時は、色々手続きもあるから、用意ができたらまた郵送するよ。でも、気が変わったら、いつでも言ってくれよな」
 通話が終わると、弥穂は力が抜けたように、ベッドに横たわった。(今日は、もう、何もする気力がないわ……)

 そこから、二時間ほどまた眠りに落ちた弥穂を再び着信音がたたき起こした。またしても、店長からだった。
「あの……まだ何か……」
「い、いや、ちょっとね、君の指名客の一人が、君のことを出せって、店でごねてるんだ」
「えっ……」
「代わりのスタッフで対応するって言ってるんだけど、どうしても納得してくれなくて、君が来るまで店で待つといってるんだよ。それで……」
言いにくそうに言葉を詰まらせる店長の意図はしかし、痛いほどよくわかった。鷹藤の仲間の男が店に難癖をつけているのが目に浮かぶ。厄介な客をなだめるためにも、今日一日だけでも出勤してくれないか、ということなのだろう。だが、店に行けば、無事では済まないのだ。
「ああ、申し訳ありません、とにかく、もう、お店には行けません。本当に、ごめんなさい」
弥穂は、一方的に通話を切ってしまった。その後も、店からは何度も着信があったが、弥穂がそれに応じることはなかった。
弥穂は起き上がる気力も湧かず、ほとんど一日中布団の中で過ごした。警察へ行って、レイプ被害を訴えるべきだ、頭ではそう分かっている。だが店内で客相手に淫らなサービスをした証拠を握られている。石黒は、弥穂から誘われた、と主張したうえで、返す刀であのビデオを使って弥穂の淫乱さを強調するに決まっている。
泥仕合になることが分かりきっているのであれば、結局貶められるのは自分のほうだ。布団の中で、堂々巡りの思案の末、結局泣き寝入りするしかない、という結論に行き着いた。悔し涙が頬を伝い、枕を濡らす。夫の声が恋しくてたまらない。だが、待てど暮らせど、零士からの着信はなかった。

 レイプ被害にあってから2日後、弥穂は気力を振り絞って立ちあがった。もう、『アズール』には戻らない、そう決めた以上、できることと言えば、自分たちの店をどうにか再オープンすること、いや、いつか夫が帰ってきた時の準備をしておくことくらいだろう。およそ一か月ぶりに、弥穂は『サロン・ド・レイ』の扉を開いた。
 店に着くなり、夫が攫われた日の記憶が強烈に蘇ってくる。後悔と自責の念に苛まれ、弥穂は嗚咽を堪えられなかった。
(メソメソしてる場合じゃないわ。今できることを、やるしかないじゃない)
 まずは店内の換気と掃除だ。それが済むと、今度は店のウェブサイトの訪問者のチェック。零士が去ってから、店は臨時休業という形をとっており、店先にもウェブサイト上でもその旨を記載していた。だが、ウェブには意外なほど多くの数の訪問者履歴が確認できた。(再開すれば、意外に盛況になるかもしれないわ……)弥穂は微かな希望を覚えた。
季節は五月後半で、気温の上昇によるものだろうか、感染者数の拡大ペースにもブレーキがかかり始めている、という今朝のニュースも思い出された。このウィルスの災いが過ぎ去ったときに、店がなくなってしまっていては、あまりにもやりきれない。強姦された悲しみを乗り越えるためにも、なんとか物事の良い側面に目を向けよう、未来を良くするために、今は努力を惜しむべきではないのだ。弥穂は自分に言い聞かせた。

『アズール』では、ウィルス除去率が極めて高いとされる消毒液が店頭に設置され、また道具や備品にも頻繁に使われていた。そのことが利用客にも大きな安心感を与えていた。
弥穂はなんとかそれを入手しようと通販サイトなどを何件も当たり、メーカに直接電話するなどしたが、どこも品切れだという。消費者同士が物品を転売するサイトなどを覗けば、あるにはあったが、どれも定価の十倍以上の値段がついている状況だった。
(ああ、どうしよう、これではとても手に入らないわ……)
他にも、客席の間を隔てるアクリル板などの備品についても、どれも価格が高騰していた。せっかく前向きな気持ちを持っても、いつも金銭的な部分で壁にぶち当たってしまう。借金のために夫が攫われ、ついには自分の貞操さえ汚されることになったのだ。このうえ、家計をさらに逼迫させるような支出は避けたい。弥穂は、事務机に肘をついて、頭を抱えてしまった。
 時刻は午後四時。この頃は商店街も、ようやく開店するところが増えてきたが、営業時間は市の指導もあり、夕方五時までに制限されているところがほとんどだ。
(今からなら、まだドラッグストアが開いてるはず)
ネットでは見つからなかったが、案外実店舗に足を運べば、その消毒薬が妥当な値段で手に入るかもしれない。そう思って立ちあがり、店の扉を開けようとした矢先、
「よう、奥さん、出稼ぎ先はバックれたそうだが、元気そうじゃねぇか、ああ?」
 濁声と共に、鷹藤が姿を現した。
「邪魔するぜ」
 手下の若い男二人を連れて、鷹藤はドカドカと店内に乗り込んできた。よく見ると、二人とも、『アズール』に客として現れ、弥穂に散々セクハラ行為を働いた男だ。目が合うなり、ニヤリとイヤらしい視線を浴びせられ、弥穂は思わず目を背けてしまう。
「な、何の用ですか……」
「ん?債務者の現況確認ってやつだ。借金で首が回らないくせに、急に職場を放棄されちゃあ、返済の意志があるのかどうか、確認しないわけにはいかんだろ?」
鷹藤は、我が物顔で待合スペースのソファに腰かけると、煙草に火を灯す。手下の二人もそれに続く。
「こ、ここは禁煙です。やめてください」
弥穂の抗議もどこ吹く風で、借金取り達は遠慮なく煙草の灰を床にまき散らし、おまけに臭い副流煙を弥穂の顔に吹き付けてくる。男らは向かい合わせのソファにふんぞり返り、あげくに乱暴に足をテーブルの上に投げ出す始末だ。
弥穂は、とっさに店のブラインドを閉めた。こんな人相の悪い男達に店が占拠されているところが人目に付けば、きっと悪い噂が立つ。いつか来るはずの店の再開の際には支障にしかならない。だが、ブラインドを最後まで閉め切ったしまった後になって、弥穂は急激に不安に駆られた。
まるで、外界からの救いの手を自ら遮ってしまったような気分になる。この閉鎖空間で、男達が好き勝手に狼藉を働くことを許すことになるのではないか。胸騒ぎと共に、腋下にじっとりとイヤな汗が噴き出してきた。

「で?なんであの店を辞めちゃったの、奥さん?昨日カラーリングで指名していったのに、バックレるなんてひどいじゃないか」
 話を切り出した男は、短く刈り込んだ頭を銀髪に染めており、名前を稲田といった。昨日、店で一悶着を起こしたのはこの男なのだろう。
「……あなたたちの相手をするのが、もう、イヤになったからです」
「あーあ、稲田、だっせぇ、振られてやんの。なぁ奥さん、俺のチンポは気に入ってくれてたよなぁ?バッチリパンティ濡らしてただろ?」
もう一人の男は、西野といい、ツーブロックに駆り上げた黒髪をしている。ガテン系のルックスとは裏腹に、粘着質な痴漢行為を延々と続けられた記憶がまざまざと弥穂の脳裏に蘇ってきた。
「はぁ?俺の時だって奥さん、ヌレヌレだったし。ほら、まだこのパンティにエロい匂いが残ってるぜ、へへへ」
 稲田が、ブルゾンのポケットからその日弥穂から奪い取った白のパンティを取り出すと、鼻先に押し付け、スーッと大きく息をした。
「や、やめて、き、気持ち悪いことをしないで……。だ、だいたい、何しに来たんですか。お金なら、主人の給料からお返ししているはずです」
「まぁ、それが今日じっくり話さんといけないことなんだがな。ほら、座れよ」
 鷹藤が顎をしゃくると、稲田と西野は弥穂の腕を引いてソファの真ん中に座らせ、左右を挟撃する形で自らも腰かけた。腿と腿がぴったりとくっつくほどに密着される。おまけに弥穂のカットソーの肩先に指を這わせては、ブラ紐をパチパチと弾いて悪戯をしかける。弥穂は嫌悪感剥き出しの表情でその手を払うが、今度は隙をついて膝小僧から内腿をパンティストッキング越しに撫で上げたりされ、イタチごっこになる。
(ああ、こんな恰好でくるんじゃなかった……)
弥穂は水色のカットソーと、膝丈のフレアスカートを纏っていた。カットソーは、生地が薄手で、首元がV字型に大きく開いており、袖を少し引っ張るとブラが覗いてしまう。フレアスカートの生地も初夏らしくごく薄い生地で、ヒラヒラと風に舞うような軽やかさだった。当然、痴漢達にとってもめくり上げ易い素材ということになる。
稲田と西野に挟まれた弥穂の目の前のテーブルに、鷹藤がドスンと腰を下ろした。
「単刀直入に言うぞ。お前の旦那だがな、3日前に倒れたそうだ」
「えっ……」
「まだ検査も碌にすんでいないが、熱がある。ウィルスに感染したのかもしれんなぁ」
「なんですって!夫は、どこに、今どこにいるんですか!」
煙草をふかしてばかりで応えようとしない鷹藤の様子に我慢できなくなった弥穂は立ち上がり、その肩を揺すぶって答えを求めたが、すぐに稲田と西野に両腕を取り押さえられた。
掴まれた腕がソファの背もたれに押し付けられる。弥穂は、形よく隆起した双乳を前に押し出すようなポーズになってしまい、男達の目を愉しませた。ぴったりとしたシルエットのカットソー越しに、乳の膨らみ、柔らかさが存分に表現される。その悩ましい光景に三匹の餓狼は生唾を呑む。
「あれれ、奥さん、どうしたの、この腋の部分の染みは?」
鷹藤達が闖入してからというもの、ずっと気を張っていたせいだろうか、緊張と不安のあまり、腋から汗が噴き出していた。タイトなシルエットのカットソーは若妻が分泌したその体液を吸い込み、大きな染みを浮かべていた。西野はそれを目ざとく見つけると、犬のように鼻を鳴らしながら、染みの部分に顔を寄せていくと、反対側の稲田もそれに続いた。
「うっ、うう、やめて、そんなこと……」
「いいからそのまま聞いていろ。旦那の病院は、俺たちも知らない。前にも言ったろ?あいつらはマフィアともつながってるんだ。下手に色々と詮索してたら俺たちの身も危ういんだよ。だが、まあどこかで入院していることまでは確かだそうだ。なに、死んじゃいないだろうから安心しろ」
 恥ずかしい腋下の匂いをクンクン嗅がれる屈辱に耐えながら、弥穂は食い下がった。
「そんなっ……なんとか、くぅっ……主人の居場所を、調べてください、お願いします!」
「ふん。まあ考えてやれないこともないがな。だが、俺たちは金貸しだ。金貸しに物を頼むなら、まず金を返すべきじゃないか?なにしろこの三日間、あいつは無給、当然俺たちへの返済も無しだ。この三日間分で払うはずだったの利息と元本、合わせて十五万、今すぐ持ってこいや」
「そ、それは……」
 弥穂は言い淀んだ。銀行預金には少しの現金があるが、翌日には家賃の引き落としが予定されている。家賃を一円でも延滞してしまった場合、契約により敷金の半分が召し上げられてしまう。鷹藤達に現金を毟りとられてしまえば、結果的に園川家の家計は大きくダメージを受けることになる。
「もう少し、待っていただけないでしょうか、どうか、あと一週間だけでも……」
鷹藤が大きく、わざとらしくため息をついて言う。
「やれやれ、やはり返済意志なしか。あのなぁ、俺のポケットマネーだったならいくらでも待ってやりたいところだがな。あいにくお前ら夫婦が借りているのは、金主の金なんだよ。俺らだって、貸付金から利息を稼いで、それを金主に収めないといけない身だ。お前が返済しないなら、誰が金主に金を払うんだ、ああ?」
「ああ、ですから、そこをもう何日かだけ、待っていただくように、お願いできないかと……」
「バカヤロウ、分かってないなぁ。金主はなぁ、今は引退しているが、元ヤクザの幹部なんだ。金主の金を焦げ付かせたというのが耳に入ったら、俺ら半殺しじゃあすまねぇ。そういう世界の金なんだよ、お前らが手を出しているのは」
「そ、そんな……あ、ああっん」
 稲田が、不意に弥穂の突き出た乳房をむんずと掴んだ。
「へへへ、奥さん、そんな暗い顔すんなって。俺たちがまたサポートしてやるからさ」
「えっ……む、むぅん、ど、どういう、ことですか?」
「分からないかい?金主に返す金を、俺たちが払ってやる、ってことさ」
稲田に負けじと西野も弥穂の乳を下から持ち上げてその弾力を愉しみながら言う。釘を刺すように鷹藤が牽制する。
「言っておくが、奥さん。もちろん俺たちだってボランティアじゃねぇ。奥さんには代償を支払ってもらう」
「ど、どういうことか、わかりませんわ……」
「ははは、冗談だろ。ケツ丸出しで金主のチンポまでしゃぶった女が今更カマトトぶるなよ。分かるだろ?セックスだよ、セックス。俺たちと一発ずつハメたら、今日の分の十五万は俺らが何とかしてやる。悪い話じゃないぜ」
弥穂は、天を仰いだ。そもそも零士が拉致同然で連行されたのは、自分の貞操を守るためだったのだ。それなのに、今、夫の不在中に、金貸し三人に身体を開くことを求められている。だが拒否すれば、夫婦の将来の家計に取り返しのつかないダメージが加わることになってしまうのだ。(零士さん、私、どうしたら……)
真ん前に座った鷹藤が、自らの膝を弥穂の左右の足の間に強引に割り込ませてきた。鷹藤の革靴が、弥穂のパンプスをじり、じりと外側に押し出していくので、細い脚は次第に開脚の角度を広げられていく。まるで屈服を迫るようなその行為に、弥穂は総身の産毛が逆立つような恐れを感じた。
弥穂は依然として男達の提案に同意した訳ではない。だが、男達はお構いなしに、若妻の身体に淫らな手つきを這わせた。左右の稲田と西野には腕を掴まれたうえに、乳房を悪戯されている。初めは量感を確かめるように持ち上げたり、揉みこんだりという動きだったが、今は明らかに乳首を狙っている。敏感なその核の位置を見極めようと、カットソーの上から指をツンツンと突き立ててくる。思わず弥穂がくぐもった声を漏らすと、「へへへ、ここだよなぁ」といいながら、該当の部位をねちっこく指の腹で撫でさすってくる。
「やめなさい、放してよ、もう!」
左右の男達を睨み返す弥穂だが、耳元に吹き込まれる甘い台詞に心を揺さぶられる。
「俺らさぁ、子安君みたいに鬼畜じゃないぜ?素直に言うこと聞いたら優しーく抱いてあげるよ?」
「そうだぜ、奥さん。このまま金も返せなきゃ、子安君のところの店のえげつないプレイで身体ボロボロにされちまうぜ?それでもいいのか?」
 三週間前に、この場所で「風俗王」子安の凶暴さの片鱗を見せつけられたことがまざまざと瞼の裏に蘇ってくる。違法な風俗店で働かされ、骨までしゃぶり尽くすように性的搾取を受けることになると脅されては、弥穂はもう従うしかなかった。
だが、気になるのは、生理周期のことだ。今日は、排卵予定日のわずか2日前だ。弥穂の生理はかなり規則的な方だったので、今日が妊娠の確率がかなり高いことは、明白だった。
「わ、分かりました。それで、お願いします。でも、ひ、ひとつ、守ってほしいことがあるんです……あの、そ、そのひ、避妊を、ゴムを着けてください……」
若妻の決死の要請を、鷹藤らは腹を抱えて笑った。
「ははははっ!却下だ。俺らはそんなもん持ち合わせてないし、そもそも奥さんのキュウキュウ締めるマンコを味わいたくて来てるんだ。ゴムなんか付けたら、味がよく分からなくなるだろうが」
「で、でも……今日は、ダメなんです、危険な日、なんです……」
 震える声で訴える可憐な若妻の様子は、狼達の劣情を一層焚きつけてしまった。女が嫌がり、拒絶するようなことをこそ余計にやりたくなるのがサディストというものだ。是が非でも膣内に欲望の飛沫を吹きかけることを誓いながら、鷹藤がその場を収めた。
「ゴムは着けない。何度も言わせるな。だが、心配しなくていいぞ。俺たちだっていきなりお前を孕ませたりしたら、それこそ貸付金の回収に差し障るだろ。中では出さないと約束してやる」
 男の誓いが信じるに値するものなのか、甚だ不安ではあったが、弥穂には他に選択肢がなかった。
「そ、それで、私が身体を差し出せば、夫の居場所を、確認してくれるんでしょうか?」
「ごちゃごちゃうるせぇぞ、このアマ!滞納してる分際で俺と交渉しようとするんじゃねぇ!今度同じことを言ったらすぐに子安を呼ぶぞ」
 物凄い剣幕で鷹藤に一括され、弥穂は縮み上がった。左右の耳から、稲田と西野が囁く。
「ほら、鷹さん怒らしちまったぜ。すぐに詫び入れたほうがいいぞ。鷹さんがキレたら、子安君どころの騒ぎじゃないぜ」
「な、こういう風に言ったら許してくれるかもな。ほら、言ってみろって」
 理不尽な要求に悔し涙を浮かべながら、弥穂は何とか言葉を振り絞った。
「し、失礼な態度を取ってしまい、申し訳ございませんでした。返済額の十五万円分、どうか、弥穂の身体で、お楽しみ、ください……」
夫の居場所を教えてもらえるのかどうかさえ曖昧なまま、弥穂は男達の手に身体を開くことになってしまった。
(とにかく、石になるの。心を無にして、終わるのをただ待てばいいのよ…)
同時に弥穂は秘奥に微かな熱が宿りつつあることに、気が付かないふりをしていた。

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