恥獄パンデミック 若妻美容師 弥穂の場合 > 第2章 新しい職場、忍び寄る魔手
[あらすじ]
人妻で美容師の弥穂は、夫の零士とともに小さなヘアサロンを開業する。だが時を同じくして、新型ウィルスの伝染病が日本で猛威をふるっていた。

客足は遠のき、ついにはロックダウンで街はゴーストタウン状態に。
ウイルスの全世界的な拡大を前に、夫婦の蓄えはみるみる枯渇していく。
友人で、地元の信用金庫に勤める下村にだまされ、零士は筋の悪い金を掴まされる。やがてヤクザまがいの借金取りが現れ、零士は強引に危険なウイルスの"除染現場”へと連行されてしまった。

最愛の夫と引き裂かれた弥穂。零士が過労によって倒れたことで、「返済の代わりに」と、弥穂は借金取りたちによって身体を弄ばれ、犯されてしまった……。

縋るような思いで下村に助けを求める弥穂。だが、卑劣漢の本性を現したその男の手で、決して引き返せない、性の奈落へと引きずりこまれていった…… 。

2026.01.23 永井 亮
凌辱、NTR
読者タグ: なし

せっかく馴染んできた職場だったが、鷹藤の闖入により、弥穂は完全に浮いた存在となってしまった。何せ、新入りだというのに、毎日毎日、切れ目なく弥穂を指名する客が絶えないのだ。そのすべてが鷹藤からの「紹介客」ということになっているのだが、いずれも鷹藤に負けず劣らず柄の悪い男性客ばかりだ。およそ美容室等に足を運びそうもないような風体の男達ばかりで、同僚たちはみな訝っていた。
 それまでは、職場に馴染もうと積極的に同僚に声をかけていた弥穂だったが、めっきり会話をしなくなった。なにせ、雑談になれば、どうしてそんなに指名客が取れるのか、という話になるに決まっている。そうなれば、何と答えればいいのか?ヤクザ風の出で立ちの男達との関係性を誤魔化す妙案が浮かばず、弥穂はとにかくそうした流れにならないように、努めて会話の輪を避けた。

 鷹藤の部下達は、案の定、弥穂に好き放題にボディタッチを仕掛けてきた。おそらく、鷹藤が「手順」を指南しているのだろう。皆、弥穂の痴態を収めた写真をポケットに忍ばせては脅しの道具に使い、ブラを脱がせて生乳の感触を貪るように揉み、あるいは甘噛みした。 
猛る男達を、最後は、手コキでフィニッシュさせ、蒸しタオルでそれを受け止めるのが定番コースとなった。(鷹藤は、オイルを使った手淫マッサージは部下には伝授しなかったようだ)
 下っ端たちは、おそらく鷹藤に忠告されているのであろうが、手コキ以上の行為を無理強いすることはなかった。だが何かにつけ弥穂のサービスにクレームをつけてはチップを惜しんだ。一番悪質なケースでは、五百円玉をパンティの中に放り込む輩までいた。弥穂は、文句を言うわけではなかったが、ほんのワンコインで身体を弄られる屈辱に、顔を歪めた。
「チッ、なんだよその顔。文句があるのか?本番か、せめてフェラでもしてくれりゃあもっと弾んでやるぜ、どうだい、この後?」
「……結構です」
気丈に言い放つ弥穂を見下ろしながら、男が言う。
「やせ我慢すんなよ。どうせ旦那がギブアップしたら、本番風俗に売られるんだろ?店にピンハネされるより、俺と直でプレイした方が……」
「もう、たくさんです。お引き取りください……」

 この不愉快な男の相手をした日の夜、帰宅後に鷹藤から着信があった。
「弥穂、お前ずいぶん評判悪いぞ。しっかり毎日客を紹介してやってるんだから、もっと感謝の気持ちで応対できないのか?ずいぶん小遣いも貯まっただろうが?」
「小遣いだなんて……多くて千円くらいじゃありませんか。もう、あんな人たちを寄こすのはやめてください。本当に、迷惑なんです。いつ、同僚に気づかれるか……」
「やれやれ、アイツら、そんなに渋ちんなのかい、呆れたぜ。まあ部下には俺からきつく言っておくようにするよ。それより、明日は大事なお客がお前を訪ねてくるから、くれぐれも失礼のないように頼むぞ」
「今度は一体何ですか……どうして私が、そんな」
「ふふふ、明日の客は、うちのキンシュなんだよ」
「キンシュって、一体?」
「金主だよ、金主。ああ、金融屋にとっての資金の出し手だな。俺らは金主から金を借りて、お前のところみたいな事業主に貸してるわけだ。お前ら貧乏人にとっては神様みたいなもんだと思っておけば間違いないんじゃないか」
「そ、それが私に何の関係があるんですか。迷惑なんで、本当にもう……」
「関係大有りだろ、バカ野郎。お前さんのところの借金の処遇なんてもんは、すべて金主の一存でどうとでもなるんだからな」
「そ、それって」
「金主がお前のことを気にいってくれたら、高い利子も一部免除してくれるかもしれないし、返済期限も融通してくれるかもしれん、っていう話さ」
「……本当なのですか……」
「ああ、お前ら夫婦の人生は、今やすべて金主のお心一つよ。だが、下っ端とは一味も二味も違うサービスをしないと、納得してくれないだろうけどなぁ」
 弥穂の心は揺れた。鷹藤の言う金主という存在が何を求めているのかは正確にはわからなかったが、口唇奉仕かそれ以上のものだろう。勤め先の職場での手コキ奉仕さえ、もはやリスクの限界をとうに超えている。このうえフェラまで、いや、そもそもフェラで済ましてもらえるんだろうか?
 不安げに思案する弥穂に、鷹藤が告げた。
「ふふ、何をさせされるのかって?まあとりあえず金主は衣装のこだわりがすごいからな。中でもお気に入りのコスチュームがあってな。特別大サービスで、俺が見繕っておいてやった。玄関のドアを見てみな」
言われるがまま、自宅の玄関を出ると、ドアノブに紙袋が引っ掛けられているのが目に入った。鷹藤が手下に届けさせたのだろう。
恐る恐る中身を取り出す。その衣装とは、黄色と青の色合いが鮮やかなチアガールのそれだった。さらに、際どいカットのブラとパンティのセットが目に入った。布地は極端に小さく、かろうじて乳首とVゾーンを覆うだけの面積しかない。尻の部分のTバックは文字通り「紐」状で、ミニ丈の中に着用するには、あまりにも心細い。
「どうだ、気に入ったか?明日はこれを着て金主を店先までお出迎えしろよな」
「あ、ありえません!こんな格好で店の前になんて……へ、変に思われます!」
「そうか?結構可愛らしいデザインだし、見ようによってはおしゃれじゃないか。一回、着てみろよ、見てやるから」
居丈高に迫る鷹藤に抗いきれず、弥穂は浴室前の脱衣所で与えられた衣装を身にまとった。(な、なんて破廉恥なの……)鏡の前に映る自らの姿に、唖然とする。
ノースリーブの上半身部分は、弥穂の体格に比してずいぶん小さい作りをしており、豊かな双丘に押し上げられるせいもあって、臍が出るほどの丈しかない。おまけに、胸の上の部分がハート形にくり抜かれているせいで、雪白の上乳が覗いている。
極めつけは、スカートの丈の短さだ。チアガールの衣装なのだから、当然ミニ丈であるが、弥穂がまとっているそれは、ほんのニ十センチほどの長さしかない。少し身じろぎしただけで、中の下着が見えてしまう。しかも、中の下着はチアガール達が通常着用するような「見せパン」ではなく、不必要なほど女を強調した妖艶なワインレッドのパンティだ。光沢感抜群のその生地がむっちりとした臀肉二つに割っている。
「こんな姿で、お店に立つなんて、とても無理です……」
「たしかにちょっと小さいかもな。お前がそんなにいい肉付きをしているとは知らなかったよ。ケツの脂が立派すぎて、スカートの中身がチラチラ覗きっぱなじゃないか。ワカメちゃんかよ、かかかかっか」
「ひ、ひどい、揶揄わないで……」
 スマホのビデオ通話を介して、鷹藤は弥穂を玩弄する。羞恥と憤怒に顔を赤く染める弥穂になおもねちっこく絡む。
「だが、こういう衣装で少しでも客を呼び込もうって気概が大事なんじゃないか?お前の店で一目置かれるだろうし、いいじゃないか」
「無責任なことを言わないでください……こんなものを着て出勤したら、もう、あの店にいられなくなります。お願いですから、どうか別の形で……」
散々渋った挙句、鷹藤は交換条件を出してきた。
「そんなに言うなら、着替えはブースに入ってからということで手を打ってやる。金主の目の前で生着替えだ。それで文句ないな」
有無を言わさぬ鷹藤に押し切られ、弥穂は要求を呑まされた。非常識な恰好で店先に立たされることは避けられた。だがその代わりに、半個室の空間で卑猥な下着姿を、見知らぬ男に晒すことが決定してしまったのだ。不安で、吐き気すら催す。わずかな望みをかけて、スマホで零士に電話をかけるが、やはり壊れたままなのだろう、一向に繋がることはなかった。


(ああ、来たわ……えっ、この人なの?)
鷹藤が「金主」と呼ぶ男は、橋詰という名で、開店と同時の午前十時に予約されていた。来店に際して、鷹藤はエスコート役を務めている。橋詰は、年は七十代だろうか。足腰が不自由なようで杖をついているうえ、足取りは不確かで、傍らの鷹藤に肩を支えられている。
身なりは、意外にもあまり裕福には見えず、頭髪も伸び放題の総白髪だ。すくなくとも、「闇金の金主」という言葉から連想するようなギラついたオーラは、感じられない。
 弥穂にとって、不幸中の幸いは、予約が平日の午前という時間帯で、まだ他の客もごく少なく、出勤しているスタッフも少ない。卑猥な行為が露見する危険は、他の時間帯に比べると低いだろう。それに、この老人の様子からして、興奮して暴行に及ぶような体力はなさそうだ。(とにかく、満足してもらって、帰ってもらえばいいのよ。それで、零士さんが助かるなら……)
「お待ちしていました、橋詰様。本日担当を務めさせていただきます、園川弥穂と申します。よろしくお願いします」
 陰鬱な気分を振り払うように、強いて明るく声をかけた弥穂だったが、軽く頭を下げた際に目に入った橋詰の股間の様子に、凍り付いてしまった。着古して膝の抜けた、ヨレヨレのコットンパンツを、痛々しいほど勃起が押し上げて、ちょうど九十度の角度で前方に飛び出している。おまけに、目を疑うことに、その先端部分から、五百円玉くらいのサイズで生々しい染みが広がっている。微かに、光を反射するその円形は、染みが乾いていないこと、つまり今なお噴出口から涎が垂れ流されていることを示唆している。
「ああ、君かい。よろしく頼むよ」
そう言う老人の目は血走っている。
(この人、いったい何なの……)
分厚いズボンからも染み出すほど大量のカウパー腺液を滴らすこの怪人物の登場に、弥穂の背中に悪寒が走った。
 
 カットスペースの半個室に着くなり、橋詰は鼻息を荒くして厚顔無恥な要求をしてきた。
「は、早く、約束の衣装を、着るんだ」
「は、はい。少々、お待ちください」
 弥穂は、白のブラウスとブラックのスキニーパンツを、恐る恐る脱いでいった。間もなく、雪の白い肌の上でどぎついワインレッドの下着の上下が現れた。職場で下着姿を晒している。どこか現実とは思えないこの状況に、弥穂は気が遠くなる。
「おい、下着を着るところから始めるから生着替えというんだ。話にならんなこの店は」
「えっ、その……不愉快な思いをさせてしまい、申し訳ございません……どうか、ご容赦を」
 牙を剥き始めた老人の機嫌を損ねてはまずいと弥穂は卑屈にも謝罪の言葉を口にした。
「ふん、まぁいい、早くそれを着なさい」
 言われるなり、弥穂は素早くチアガール衣装を身にまとった。いやらしいデザインであることは間違いないが、それでも少しでも肌を覆いたかった。
 着衣を終えた弥穂の姿を、橋詰は目を妖しく光らせながら凝視している。
「ええのぉ、ええのぉ、ムチムチしおって」
呆けたような顔で、チアガール姿の若妻をねっとりと視姦するこの老人は、さらに破廉恥なリクエストを突きつけてきた。
「ほら、鷹藤から聞いてるだろ?儂はチアダンスが大好きなんだよ。ほら、腰をフリフリせんか」

***
昨夜の電話の最後に、弥穂は鷹藤から宿題を突きつけられていた。
「この衣装に相応しく、簡単なチアダンスくらいして見せないと興ざめだろ。あとで参考までに動画を送っておくから、振付を練習しておくといい。出来がひどいと、金主はカンカンに怒るだろうな。しっかり今晩中に覚えておけよ」
 その後、橋詰の前で披露するダンスの振付だといって、鷹藤から動画が送りつけられた。実を言うと、弥穂は高校生の頃はダンス部に所属していたほどで、多少の心得はあった。だが、鷹藤が送ってきたのは、チアダンスの動画などではなく、チャットレディのそれだった。インターネットで不特定多数を相手に肌をチラチラと見せつけ、それで投げ銭を稼ぐ女の所作。それを真似よというのだ……
***
弥穂は、羞恥に震えながらも、動画で学んだイヤらしい動作を橋詰の眼前で再現していった。片足を丸椅子に載せて、裾をまくり上げて股間に右手の中指を添え、パンティの上を這わせる。そうしながら、むっちりとした腰部を回転させるようにクネクネと捩る。ペニスに見立てた親指を口に含んで、出し入れをする。
目をぎらつかせながら若妻の痴態に見入っている橋詰だったが、そのうち自分のこだわりとの違いにイラつき始めた。
「全然気持ちが入ってないぞ!ほら、おしゃぶりはもっと、ヌチャヌチャと大きな音を立てるんだ。それにその右手、もっとピンポイントでお豆をコリコリしないか!」
「あぁ、すみません、こうでしょうか……」
「そうだ、そうすると、段々腰の動きも色っぽくなってきよる」
強いられているのは、ダンスなのではなく、ほとんどオナニーではないか。演技とはいえ、敏感な陰核に刺激が加わると、身体は無反応ではいられない。
 いたたまれなくなった弥穂は、次の振付に映った。丸椅子に両手をつき、尻を大きく突き出す形で橋詰の方へ向ける。何せ超がつくほどのミニ丈だ。スカートの中の様子は、余すことなく老人の視線に晒されている。尻の部分の布地は皆無で、かろうじて菊座を隠すのがやっとだから、豊かに肉の実ったハート形は隠しようがない。顔から火が出そうなほどの恥ずかしさを堪えながら、弥穂は臀部を左右に振った。
「そんな風に機械的に動かれたってちっとも面白くない。もっと円を描くように、悩ましくやるんじゃ!」
従順に、言いつけを守っているつもりだが、中々この老人の満足のいくような演技にはならず、繰返し叱責される。弥穂はもう泣きたい気分だった。不意に、ひんやりした固い感触が、パンティ越しに媚肉の入り口をなぞった。
「ひ、ひぃ、な、何を……」
振り返ると、橋詰が手に持った杖で、女の急所を突いてくるではないか。
「君が真剣に取り組まないからいかんのだぞ。ほぉら、こうして刺激してやると、イヤでも腰つきが切実になってきよる」
 老人の魂胆が、どうやら自分の性感を刺激することにあることが分かり、弥穂は思わず杖の動きを手で制止した。だが、仕置きの好機とばかり、橋詰から強烈なビンタが左右の臀部に放たれる。
「い、痛い、痛いです!」
パシーン、パシーンという乾いた破裂音が響き渡る。あまりに大きな音を立てるので、弥穂は他のスタッフが様子を見にくるのではないかと気が気でない。
「お願いです、おやめになってください、もう、抵抗しませんから……」
弥穂の哀願を敢えて無視して、橋詰はスパンキングを続ける。
「お前が、エロっぽく腰を振れるようになったらやめてやってもいいんじゃ。ほれ、ほれ」
「あっ、あぅぅぅ」
弥穂は、もうなりふり構わず尻を振り立てた。真っ赤に腫れ上がった尻への折檻への恐怖も手伝って、腰の動きはいよいよ淫靡な風情が出てきた。橋詰はそれでも面白がって、間隔を置きながら断続的に打擲を加える。その度に弥穂が許しを請うような視線を鏡越しに送ってくるのが、たまらなく甘美なのだ。また、平手にブルんっ、と波打つ肉の動きは、サディストの欲望をたまらなくくすぐる。
「ようやく気分が乗ってきたようだな。動きが見違えたわい。お前、尻を嬲られるとよほど興奮するのだな?」
「そ、そんなこと……」
「ん?何、違うというのか?儂の目が狂っていると」
「いえ、そ、そういうつもりでは……」
今はひたすら従順にしているべきだ、頭ではそう分かっていても、尻を打たれて喜ぶ女だなどと言われて、それを認めるのはあまりに惨めではないか。
「賭けるか?もしお前がオマンコ濡らしてなかったら、儂はこのまま帰る。もし濡らしてたら、そうだな。今日は一日その恰好のまま働いてもらう。どうだ?自分のオマンコの具合くらい、分かるだろう?簡単な博打じゃないかね」
 弥穂は、逡巡した。一秒でも早くこの不快な老人が消えてほしい。だが、自分の股間の状況は、恐らく大惨事になっている。先ほど強いられた疑似オナニーで、指先が敏感なクリトリスを掠めてから、身体にスイッチが入ってしまったのを実感していた。さらには、杖でグリグリと肉割れを押し込まれた時に走った全身への快感電流で身体が痺れている。
弥穂は、普段からどちらかというと敏感な体質ではあったが、こうも短時間で、こんなにも少ない手数で性感を掘り起こされてしまう自分の身体の成り立ちが、信じられなかった。
「す、すみません……認めます。認めますから、この恰好で他の人の前には……」
「認める?何を認めるんだ?」
「で、ですから、下着を、濡らしている、かもしれません……」
「そうかい、じゃあ、確かめてみようかのぅ」
すると、橋詰が両手を弥穂のパンティの、腰の部分に伸びてきた。左右で結ばれた、いわゆる「紐パン」タイプの下着は、腰骨の辺りの結び目を解かれると、簡単に弥穂の腰から離れ、橋詰の手元に収まってしまった。
「そ、そんな!」
一瞬のことに、弥穂は悲鳴をあげたが、時すでに遅し。気づけば橋詰はパンティを眼前に広げ、そのクロッチ部分をまじまじと見つめているではないか。
「やっぱり儂の見立てどおり、マン汁ダダ洩れじゃのう。どれ、味見してさせてもらうぞ」
 老人は、舌を大きく突き出して、布地にべっとりと付着した弥穂の分泌物を舐めすくった。「やめて、ください、そんなこと、恥ずかしいです……」
ひどく赤面にしながら抗議する弥穂を尻目に、老人の舌が、残さず飲み干さんかというほどの勢いで、小さな布地にしゃぶりついている。弥穂はまるでヴァギナを直接しゃぶり回されているような錯覚に、軽い眩暈を覚えた。

「お前さん、楽しんでばかりで、全然散髪が進んでいないじゃないか」
「ああ、すみません。それでは、カットを、始めさせていただきます」
 強いられて淫猥な尻振りダンスや自慰の真似事をさせられているというのに、謝罪させられる。惨めさに震えながら、弥穂はようやくハサミを握った。
「儂は儂で楽しんでおくから、適当に進めておいてくれ」
皺くちゃの、七十代の手が、若妻の腿を無遠慮に撫でまわす。振り払う訳にもいかず、弥穂は両手を真っすぐに下ろして、ぐっと拳を握りしめながら直立している。嫌悪と、恐怖で、小刻みに膝が震えている。その姿は、電車で痴漢被害にあっても声をあげられずにいる女学生のようで、橋詰の劣情を煽った。
 弥穂は、心底困惑した。鷹藤の時とは異なり、この老人は散髪を始めようというのに、一向にボディタッチを止めようとしないのだ。
 肉付きのよい太腿の上を、老人の手がズリ、ズリと北上するごとに、弥穂の焦燥は募った。パンティを奪われ、いまや剥き出しとなった女の園が、老人の乾いてざらついた指で荒らされようとしている。天を仰ぎ、目を閉じてじっと耐えている弥穂をからかうように、橋詰は腿の付根の辺りを行ったり来たりする。
「触ってほしくてウズウズしておるんじゃないか、顔にそう書いてあるぞ、うひひひ」
「うぅ、そんなことは……あの、危ないですから、どうか、もう」
「ん?そりゃあお前さんの都合だよな?お前さんがスケベな気持ちを我慢して、仕事に集中したら済む話じゃろ、うししし」
 橋詰が、気味の悪い笑い声を立てると、弥穂は観念したように恐る恐るハサミを老人の頭髪に近づけていった。
 女肉を危険に晒されたまま、客の髪を切る。膝裏から腿の付根にかけて、妖しく蠢く指先に、身体は思わず強張る。手元が狂ってケガでもさせようものなら、どんな代償を払わされるか分かったものではない。そうした展開への恐怖のせいか、あるいは男に性感を暴かれることへの羞恥のせいなのか、激しく高鳴る胸の鼓動が、耳に聞こえてきそうなほどだった。
 
 下半身を悪戯されながらも、カットを進める弥穂がハサミを置いて霧吹を手に取った瞬間、橋詰は動いた。ついに中指を肉芽に当てて、フェザータッチで掠めた。弥穂は、思わず、背筋をビクンと仰け反らせ、身体を走り抜ける快感を全身で表現してしまった。
「おや、いきがいいのぉ」
揶揄いながら、橋詰の指はクリトリスの上で弧を描いている。その指使いは、実に巧妙だ。秘裂から垂れた花蜜を掬い取っては、潤滑油代わりに雌しべに撫でつける。指の腹で転がしたかと思うと今度は中指と親指の二本で摘まみ、扱きあげてくる。そうしているうちに、密部が更に粘液を分泌してしまう。身体がカッと火照って、もう立っているのも難しい。
弥穂は、いつの間にか、持っていた霧吹も床に落としてしまい、両手を橋詰の肩に添えて、なんとか身体を支えている。
「おい、いつになったら散髪は終わるんだ?ええ?」
 橋詰が嫌味たっぷりに言うと、弥穂はもう哀願するしかなかった。
「お願いです、少し、手を……このままでは、ハサミが、もてません」
「どうしてだ?もう少し理由を詳しくきかせんか」
「うぅぅ、ひどい……ですから、今、か、身体が、び、敏感なんです、あああっ!」
 弥穂の嘆願を遮るように、老人の中指がいきなり密部へ侵入してきた。ぶすっ、と音が聞こえそうなほどに、激しく、無遠慮に突き立てられ、思わず弥穂は甲高い悲鳴をあげてしまう。
「少し静かにできんのかね?それとも他の奴らに見てほしいのか?」
「もう、許して、いぃぃぃ……」
 橋詰の中指が、シーリングマシンのようにグリグリと回転しながら、若妻の肉の隘路を切り拓いていく。大量の愛液を吐き出していながら、媚肉それ自体は、極めて造りが小さい。侵入者を拒むような圧迫感、弾力感を備えている。
「とても人の嫁とは思えんくらい新鮮な肉じゃ。まるで生娘のようじゃないか、素晴らしいぞ」
 固く窄まり、侵入者を拒むように固くしまった膣肉は、一度中に潜りこんでしまうと、今度は情熱的な締め付けを与えてくれる。キュウ、キュウという収縮が、中指の全体を包む。  
深く侵入しきった指は、もはや膣襞のどの部位も自由に荒らしまわることができる。
「極めつけはこれじゃろ。これで泣かん女はおらんからのぉ」
 橋詰の中指が「く」の字に折れ曲がり、いよいよ本格的にGスポットをノックしてきた。それだけではない、親指はクリトリスの上にぴったりのしかかり、グイグイと押し込んでくる。
「は、はぅぅぅぅ」
 身体の内側と外側から、快感の中心を挟撃される。激しい刺激に、弥穂は激しく狼狽した。(こ、こんなの……ああ、激しすぎる、私、どうなってしまうの……)

……この感覚には、覚えがあった。夫の零士は、元々前戯が極めて丁寧だった。ゆったりとしたペースでクリトリスを愛され、時には優しいキスさえくれたものだ。膣への愛撫も、快感の中心を正確に射抜いてくれた。だが、弥穂は、内奥から湧き上がる悦びに、自分を制御できなくなるその前の段階で、やんわりと零士の腕を制止した。未知の領域へ誘われるのが怖かったのか、淫らに狂う姿を愛する夫に晒すのが恥ずかしかったのか。
「零士さん、もう、入れてほしいの……」
そういうと、零士は無理に指や口での責めを継続しようとはせず、弥穂のリクエスト通り、速やかに挿入へ移行した。夫婦の交わりは、甘美で、充足感に充ちていたことは、確かだ。だが、夫の腰使いは、指使いほどには洗練されてはおらず、弥穂はついに絶頂へ達したことは、一度もなかった。エクスタシー、というものがこの世に存在していることは、もちろん知っていた。だが、弥穂は特段それが必要だとは、思わなかった。夫との肌の交わりだけで、十分だったのだ……。

翻って、今、我が物で肉芽や膣を荒らしまわるこの老人は、若妻の懇願にも関わらず一向に責めの手を緩めようとはしない。いやそれどころか、中指と親指のコンビネーションによる手技が弥穂の官能を痛打しているのを見るや、その振動を一層激しくしてくるではないか。
「ほほぅ、そんなにこれが好きか?ほれ、ほれ!」
 中指と親指をCの字を描くようにして、小幅だが速く力強いバイブレーションを加えると、弥穂は橋詰の肩に添えた手の指先に、思わず力が入る。右手の責めはそのままに、鷹藤の左手が弥穂の肩を抱き寄せ、そのまま無防備な唇が奪われてしまう。
「ら、らめぇえ、む、むぅぅぅぅぅっ」
 強引に割開かれ、老人の粘っこい苦味を纏った舌が、若妻の口内に侵入してくる。腕でそれを押しのけようとするも、意外にも老人の腕力が強いのか、あるいは快感に身体の芯を骨抜きにされているせいか、上手くいかない。好き放題に舌、頬の裏や、あるいは歯茎を嘗め掬われ、悪酒で急激に悪い血が身体を巡ったように、快楽のエキスが血管を満たす。意識すら、ぼんやりしていく。
(なんなの、これは……何も、考えられない……)
 橋詰の巧妙な手技により、スカートの中から全身へと快感の波動が伝播し、それは回を重ねるごとに、大きく、そして長い痺れをもたらす。
「儂に口を吸われながら、気をやってみぃ、ほれぃ!」
(気をやる、って……えっ……あっ、ウソよ、これって、まさか、まさか……)
 大空高く、飛翔するような高揚感と、魔界へ連れ去れるような不安の入り混じった不思議な感覚とともに、弥穂は、ついに達してしまった。身体を固く硬直させ、老人の首の後ろに回した手が強張って、もはやしがみつくような恰好になりながら、ビクン、ビクンと総身を震わせる。固く閉じた瞼の裏が、深紅に染まった。

 ほんの数秒の間だろうか、弥穂は気を失っていた。気が付くと、がっくりと床に尻をつけてへたりこんでいる自分を認めた。
「やれやれ、散髪中に気絶するなんぞ、聞いたことがないな。お前さん、美容師なんかより、売女の方がよっぽど性にあっているんじゃないかね?」
「あぁ、私、今、一体何が?」
「はははは、分かりきっていることを聞くんじゃないよ、気持ちよすぎて、イっちまったあげく、失神してたんだよ」
「え、そ、そんな……」
「ん?お前さん、まさかイクのは初めてかい?」
弥穂は、恥ずかしさのあまり顔を真っ赤にしながら、コックリと頷いた。
「そりゃあたまげた!こんなに敏感な身体をイかせることもできないなんて、お前さんの
旦那はよほどの能無しか、インポか、もしかしてホモ野郎なんじゃないか?ははは!」
老人の暴言に、弥穂は悔し気に眉を歪め、睨みつけた。
「コラっ、そんな怖い顔をするんじゃないよ。さっきイクときの顔はもっとかわいかったぞ。この世の極楽を味わってるような感じで身体を痙攣させてのぉ、けけけ」
 恥ずかしい事実を指摘され、弥穂は押し黙ってしまった。
「ほら、そろそろ仕事してもらうぞ。しゃぶらんか」

 ふと見遣ると、橋爪は、もうコットンパンツを脱ぎ捨て、下半身を丸出しにしていた。この男は、他の店員に見つかることなど、まったく恐れていない。淫らな行為が露見することを何としても避けたいと思っているのは、自分だけなのだ。そう思うと、弥穂は目もくらむような絶望に襲われた。
 観念して、弥穂はこの怪老人の剛直に、舌を這わせた。ツーンとすえた匂いが鼻孔を突く。
「ふふふ、お前さんに口でお掃除してもらおうと思ってなぁ、一週間も風呂に入っておらんのだ。なんやかやと毎日欠かさず射精はしておるから、恥垢がたまっておるからのぉ、しっかり舐め清めてくれやぁ」
 弥穂の表情は曇る。だが、何故だろう、初めて鷹藤のペニスを口に含んだ時ほどの汚辱感や、吐き気は不思議と感じない。老人の体臭を嗅がされることは確かに苦痛だったが、一度エクスタシーに達したことが関係しているのだろうか、性臭の嫌味は、オブラートに包まれたように曖昧にしか感じられなくなっていた。事細かく、あれやこれやと指示されながら、雁首にたまった白い老廃物を舐め清める。味は苦く。自分の惨めさに胸が締め付けられはするが、同時に甘美な陶酔を感じる。(こんな、最低な男に……)そう思えば思うほど、不思議とゾクゾクするような昂ぶりが身体の芯を捉える。
「もう、儂のチンポにメロメロじゃないのか、ええ?うっとりした表情で舐めよる」
 弥穂の舌使いが、予想外に情熱的で、献身的であることに、すっかり気を良くした橋詰は、悦に浸って弥穂の頭頂部を撫でさすっている。
舌を裏筋に沿わせて、ソフトに舐め上げたかと思うと、睾丸を手で柔らかく揉みこむ。また、肉柱を根元まで口に含んでは、じゅる、じゅるじゅる、という下品な音を立てて吸い上げる。鷹藤に仕込まれた口唇奉仕の作法を、難なく再現できてしまう自分に、弥穂は内心で当惑したが、見えない力に突き動かされたように、唇で男根をきつく締め付けながら、クイ、クイと首を前後に振り立てている。(もう、どうにでもなればいいのよ。早く、終わって……)
一心不乱のフェラが奏功し、橋詰は思いのほか早く射精に至った。
「儂は喉の一番深いところにぶっかけるのが好きでな。思いきり深く咥えこんじゃ、ほらこうやって!むぅぅ、出るぞ、それぇぃ!」
 絶対に逃がさないぞ、そういわんばかりに、橋詰は七十代とは思えないほどの腕力で弥穂の頭部を引き寄せたので、噴出した欲望の塊は、強かに喉奥に叩きつけられた。流石にこれには耐えかねたのか、弥穂は涙目になりながら首を振り立てるが、射精を始めた橋詰の両手を振りほどくことは叶わず、咽喉に飛沫を浴びせられた。
「むぅ、ぐ、ぐふっ、うぅぅう」
 言葉にならない呻き声を喉の奥で鳴らしながら、弥穂は手足をばたつかせている。その哀れっぽい姿が余程気に入ったのか、橋詰は一層悦に浸って、最後の一滴までくれてやるとばかり、自らも腰を振り立てている。
「一滴も残さずに飲み干すんじゃぞ。後でチェックするからな、口の中に少しでも残っていたら、もう一発やり直しだぞ、いいな!」
 理不尽な要求をされながらも、弥穂は従うしかなかった。むせこみながらも、苦い粘液を嚥下していく。ゴクリ、ゴクリと白い喉が動くのが、たまらなく淫靡だ。(ああ、とても飲み下せない……)
橋詰の射精は、一旦クライマックスを越えたかと思えたが、断続的に、まるで間歇泉のようにピュッという放出が再開される。弥穂は賽の河原で無限の責苦を味わう餓鬼のような惨めさに、涙をこらえきれないのだった。

ようやく最後の一滴までを飲み干し、橋詰からオーケーをもらった自分には、もう一時間以上が経過していた。ヘアカットの進捗状況はといえば、ほとんど進んでいない。
「あの、カットの続きを……」
別にこの男の髪を切りたいわけではない。そうではなくて、一時間もの間半個室に籠っていながら、ほとんど髪の長さに変化がない状態で退店させてしまっては、他のスタッフが不審に思うことだろう。とにかく、これからごく短時間で、不自然にならない程度にカットを済ませておかなければならない。
この老人の方でも髪のことなどどうでもいいのだが、弥穂の意図を敏感に嗅ぎつけると、意地悪をしないではいられなかった。あれやこれやと注文をつけ、先ほどはあまり堪能できていなかった双乳に悪戯をしたりして、妨害しては、焦る若妻の様子を見て楽しむのだった。ようやくカットを仕上げた頃には、もう男の来店から二時間近くが経過してしまっていた。
「なんだ、最後にシャンプーをしないのか?」
「ああ、それは、今日はお許しください。この恰好では、とても出られません……」
もうこの時間は、昼間のピークタイムから合流するスタッフの出勤時間だ。店の入り口から、スタッフの控室への動線の途中にはシャンプーブースのあるエリアが位置していた。今そこへ向かえば、鉢合わせになる危険性が極めて高いのだ。
「チッ、ずいぶんな手抜きじゃのう」
「ほんとうに、申し訳ありません、どうか、お許しください。こんな姿を見られたら、ここにいられなくなってしまいます……」
「こんな姿とはなぁ、人がせっかくプレゼントした衣装を」
「ああ、そんなつもりでは!気分を害してしまい。申し訳ありません……・」
苛立ちを隠しもせず、橋詰は席をたった。険悪な雰囲気の中、弥穂は逡巡した。
(ああ、借金のこと、お願いしなくては……でも、機嫌を損ねてしまったら……)
だが、ここまで惨めな思いを耐え抜いたのだ。夫を救い出すためにも、少しでも慈悲を勝ち取らなくては、なんのために汚辱を浴びたのか、わからなくなってしまう。
「あ、あの、橋詰様、私達夫婦のことで、ど、どうか寛大な、処置を、いただけないでしょうか?」
「はぁ?なんの話だ?」
 橋詰は、哀願する女のいたぶるのは楽しくて仕方ないと言わんばかりに、満面の喜色を湛えて問い返す。
「で、ですから……今日、私、橋詰様に満足していただくために、必死で、ご、ご奉仕をしたつもりですわ。ですから……」
「やれやれ、厚かましいやつだわい。散髪も適当に済ませようとした癖に。それに、そもそも儂もお前さんも、お互い一回ずつイカせあったわけだよな?持ちつ持たれつの五分五分ってことじゃないのかね?儂としては別にお前さんにばかり奉仕してもらったつもりはないんじゃが?」
「な、なんですって!そんな、ひ、ひどい、ひどすぎます……」
橋詰は、無視するようにそそくさとズボンを履き、立ち去ろうとする。
「ああ、待ってください」
破廉恥な衣装を大急ぎで脱ぎ捨て、弥穂は元々纏っていた衣服を着用して、橋詰の後ろを追った。顔面を真っ青にしながら、弥穂はこの非道な男の背中を憎悪の眼差しで見つめていた。

 会計を済ませると、先ほどまでの淫鬼ぶりは見る影もないほど、妙に快活な笑顔を浮かべて、橋詰は去っていった。レジを対応した弥穂は、言葉こそ型通りの丁寧さだったが、目は無念さのあまり充血し、この老人を睨みつけていた。
「ねぇ、どうしたのそんな怖い顔して?あのおじいさんと何かあったの?」
 橋詰の姿が見えなくなると同時に、またしてもあの詮索家の坂上が絡んできた。
「え、そ、そうですか……いえ、何も、ありません、ちょっと疲れてしまったんですかね、色々、要求の多いお客様でしたから……」
何とか取り繕って、弥穂は背を向けて、逃げるようにその場を去った。背後で、この同僚女性が、冷たい嘲り笑を浮かべていることに、この時弥穂はまだ気づいていなかった。

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